2020年9月の地震と主な断層

 2020年9月4日に福井県坂井市で震度5弱を観測した地震は、福井市河合地区が震源と推定され、同地区で震度5強に相当する揺れが発生していた可能性が高いことを福井高専の岡本拓夫教授(地震学)や気象庁の担当者らが突き止めた。同地区では食器が棚から落ちたり、民家のブロック塀が崩れたりする被害が確認されており、余震は現在も続いているという。

 県内には、機械が震度を自動で判別する観測点が42カ所ある。2020年9月の地震で気象庁は嶺北が震源と発表し、観測点のうち、河合地区から東に3、4キロ離れた坂井市春江町随応寺の震度5弱が最大だった。県内での震度5以上は、1963年3月に敦賀市で震度5を観測した若狭湾を震源とする地震以来だった。

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 岡本教授らは2020年9月4日の発生直後から、震源の特定に着手した。おおよその震源が示された気象庁の速報などの情報を収集。岡本教授が以前から河合小学校に設置している研究用の地震計の波形データも踏まえ、河合地区と推定された震源の正確な位置や深さを特定した。藤島高校の生徒も本震と余震の震源データ解析などに協力し、断層面の特定につながった。

 岡本教授によると、今回の震源とされる福井平野の西縁部には、九頭竜川と日野川の合流部を南北に貫く形で断層があると推定されるという。

 また、河合公民館で食器が棚から落ちて割れたり、グラスが棚の中で割れたりしていたことが分かった。周辺でも、民家のブロック塀や神社の石像が崩れ落ちる被害が出ていた。

 岡本教授は「両側から押されて上下方向に動く『逆断層型』の特徴である突き上げをもろに食らっている」と推測した。これらの被害状況と、気象庁が示している震度別の揺れや被害の目安を照らし合わせ、震度5強に相当する揺れだったと結論付けた。

 2021年2月13日に発生し福島、宮城両県で最大震度6強を地震は、2011年3月の東日本大震災の余震と分かっている。岡本教授は、嶺北を中心とした2020年9月の地震についても、いまだに数日に1回程度、余震が確認されていると指摘。「日本海側では発生の半年後に大きな余震が起きたケースもある。収束傾向にはあるが、安心とは言い切れない」とした。