福井県福井市社南地区周辺は「水」に関する地名が多く「先祖は洪水への警告を地名に残した」と注意を促す平井博政館長=福井市種池2丁目の福井市治水記念館

 3月末で閉館する福井市治水記念館(福井県福井市種池2丁目)で、最後の特別展が開かれている。館長を15年務めた平井博政さん(78)手作りの展示で、記念館が立地する社南地区周辺には「江」「池」など水に関わる地名が多数あり、洪水避難用の舟を持っていた町内会があるほど水害が多かったと指摘。「先祖は洪水への警告を地名に残した」と注意を促している。3月28日まで。

 特別展「治水記念館の歩みと記憶に残しておきたいこと」で、平井館長は市内の地名に着目し、住民の話と独自の推察を交えて紹介している。

 社南地区にある「江守」は、大雨時に川の「お守り」をしなければならない場所、「渕」は水が深い場所で、渕にある旧家の基礎は高さ1メートル以上あり、70年ほど前には町内会で避難用の舟を持っていたという。

 「舞屋」は洪水で屋根が舞いながら流れた場所だとし、「種池(たないけ)」は高さの違う池が棚田のようにあり、「棚」から「種」に字が代わったと推察している。

 平井館長は、地球温暖化で海水の蒸発量が増えてゲリラ豪雨や大雪が相次ぐようになったとし「かつて想定外だった雨量や降雪量が、温暖化により想定外と言えなくなってきている」と指摘する。「福井市街地は元々は海で洪水が起きやすい。川が氾濫危険水位を超えたらすぐ避難して」と呼び掛けていた。入館無料。月曜休館。

 治水記念館は1992年に開館した。江端川流域を水害から守ってきた排水ポンプなどを展示し、2006年からはNPO法人ドラゴンリバー交流会が指定管理者となって運営してきた。福井市は、市防災センターと機能が似ているとして20年度末で廃止する。地元社南地区は、学童保育施設や防災拠点としての活用を要望しており、市と市教委が検討している。