福井県内の企業倒産の推移

 帝国データバンク(TDB)、東京商工リサーチ(TSR)両福井支店のまとめによると、2020年の福井県内の企業倒産(負債1千万円以上)は、件数が2年連続で増加したが、負債総額は前年比8割減となった。県内経済は新型コロナウイルス禍の影響を受けたものの、国の緊急融資制度などの支援策が倒産を抑制したと分析。コロナ関連倒産はTSR調査で9件だった。

 倒産件数はTDB、TSRともに前年比微増の48件。TSRによると、00年以降では5番目の低水準だった。負債総額はTDBが同81・9%減の68億2700万円、TSRは同81・53%減の68億9800万円。前年に2件発生した負債100億円以上の超大型倒産がなく、過去10年間でも低水準となった。

 業種別にみると、サービス業(TDB12件、TSR15件)が最多。コロナ禍の影響が大きい飲食店や宿泊業などが含まれ、前年に比べ大幅に増加した。製造業(TDB11件、TSR9件)、建設業(TDB9件、TSR8件)、小売業(TDB9件、TSR6件)と続いた。倒産原因は販売不振などによる「不況型」が8割以上を占めた。

 コロナ関連倒産は、TDB6件、TSR9件とした。20年6月にウエディングドレス縫製業者が破産手続き開始決定を受けたのが、県内初確認となった。飲食店や結婚式場関連、写真館など、感染拡大に伴う国の緊急事態宣言や休業要請で経営悪化に拍車が掛かった業種が目立った。

 TDBは「コロナ禍の影響が深刻な卸売業や小売業の倒産が前年比で減少し、補助金などの政策効果が一因」と分析。TSRも「下半期の倒産件数は前年同月比を下回る月が多く、国の実質無利子・無担保融資などの各支援策が倒産を抑制していると推察される」とした。

 今後の見通しについて、TDBは「首都圏の緊急事態宣言は展示会や商談中止につながり、福井の経済活動に大きな影響を及ぼす。資金力が弱い零細業者を中心に事業継続を断念する傾向が続く」と指摘。TSRも緊急事態宣言や国の「Go To トラベル」停止などを受け「短期的に業績の大幅回復は期待薄であり、財政が悪化した企業による倒産が増勢に向かう可能性は否定できない」としている。