「何とか助けたいという思いで患者と向き合っている」と話す看護師。取材はオンラインで行った=2月、福井県内

 患者が亡くなれば、もどかしさを感じる。「でも、患者は他にもいる。何とか助けたい」。福井県内の30代看護師女性は、昨年3月の新型コロナウイルス感染第1波から、感染者の入院病棟に勤務している。最近は介護施設でのクラスター(感染者集団)発生もあり、高齢の患者が増えた。1人の患者に接する時間は以前の3倍になった。そして死にも直面した。

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 昨夏の感染第2波までは患者自身が体温や血圧を測ることができたが、介護施設でクラスターが発生した今年1月以降はサポートすることが多い。食事もテーブルに用意して介助する。ベッドで体の向きを変えたり、おむつを交換したりもする。

 患者と接する時間は1、2波に比べ3倍ぐらい長くなった。マスクをしていると息がしづらいし、防護服は暑い。30分で限界と思うときもある。認知症の人もいて、通常のマスクや酸素マスクを外してしまうケースもある。そのまませきをしたり、大きな声で話をしたりする。

 容体が急変することもある。突然、血液中の酸素濃度が下がり、どれだけ酸素を入れても上がらない。死に直面すると、病気の怖さとともに、助けられなかったというもどかしさを感じる。でも、患者は他にもいる。何とか助けたいという思いで向き合っている。

 自分が感染する恐怖もある。防護服を脱ぐときにリスクが高いといわれており、他の看護師に見てもらいながら「そこ、(ウイルスが)付いたよ」などと指摘し合っている。マスクや手袋を取る動作の一つ一つで消毒している。

 一般病棟もコロナ病棟も患者の立場は同じで、看護師としての仕事は変わらない。職場の仲間と面と向かって励まし合うことはないが、夜勤の時は、お菓子をあげたりもらったりしている。それだけで、少し元気が出る。

 自宅でもマスクを着けている。自分は感染者かもしれないという気持ちで、日々暮らしている。