福井県越前市の奈良俊幸市長(右)と意見を交わす三洋化成社員のかずえちゃん(右から3人目)=2月17日、福井県の越前市役所

 ゲイ(男性の同性愛者)として自分の考えや経験を伝えているユーチューバーで、多様性を認め合う職場の環境整備のために化学メーカー三洋化成(本社京都府京都市)で働く福井県福井市のかずえちゃん(38)が2月17日、同県越前市役所を訪れて、性差や国籍に関係なく住みやすいまちづくりについて奈良俊幸市長らと意見交換した。

 同社の安藤孝夫社長らが、関係会社のAPB(東京)が越前市庄田町で進める次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の工場整備の進捗報告に訪れたのに同行した。

 かずえちゃんは2020年夏に同社の非常勤嘱託社員として採用され、社内ワークショップなどを通じてLGBTQ(性的少数者)が自分らしく働ける環境整備に取り組んでいる。同社は同性パートナーを認めて男女の夫婦と同じ手当や福利厚生を受けられるようにしたり、性別問わず使えるトイレを設置したりしている。

 一方、同市も県内市町で先駆けて採用試験の申込書や印鑑登録証明書などから性別欄を削除。現在は各種申請書など69の行政文書から性別欄を削除している。

 かずえちゃんは「越前市が率先して性別欄削除を進めるニュースはすごくうれしかった。当事者が声を上げるのはハードルが高い。LGBTQがいるからするのではなく、いる前提で取り組むことが大切」と指摘。奈良市長は外国人市民が市内人口の約6%を占める現状にも触れ「産業振興に向けた労働力としてだけではなく、外国人が市民として一緒に暮らせる多文化共生を進めている」と強調した。