託児所の開設を計画している片町のビルの一室で「母子ともに安心できる場をつくりたい」と話す柿木有紀さん=2月1日、福井県福井市順化2丁目

福井県福井市の片町に柿木有紀さんが開設する託児所のイメージ

 福井県福井市の通称片町でバーを経営するシングルマザーで、母子家庭支援会社代表の柿木有紀さん(51)が4月、片町に託児所を開設する。「片町で夜も働く女性の多くは昼の仕事だけでは生活できないシングルマザー」(柿木さん)だが、深夜まで子どもを預けられる施設は市内に1カ所しかないという。子どもが安心して母親の迎えを待てる場所をと、深夜2時まで預かる託児所の開設資金の一部を、福井新聞社と福井銀行、レディーフォーによるクラウドファンディング(CF)サービス「ミラカナ」で募っている。

 40歳で離婚した柿木さんは、中3から5歳まで3人の子どもを希望する学校に進学させようと、自宅でネイルサロン、片町でバーの経営を始め、昼夜を問わず働いた。バーは子どもが寝付いた後に開いていたが、目を覚まして「寂しい」と連絡があるたびに自宅に帰り、多い日は自宅とバーを7回も往復したという。

 そのころから片町での託児所開設を夢に描き、2020年4月に母子家庭支援を目的とする会社「ハッピーシンラボ」を設立。シングルマザーの雇用と自立に向け、福井市順化2丁目のビルに開いたエステサロンと同じ階に部屋を確保し、準備を進めてきた。

 開設する託児所は「プリベビ」。保育スタッフを常時2人以上置き、1歳から小学生まで6~7人を午後1時から午前2時まで預かる。シングルマザーを雇用する事業者と、利用者1人当たり月5千~1万円程度で契約し、利用者の負担は1時間300円程度に抑える予定。「子どもが安心して母親を待てるよう、ひたすら甘やかしたい」と、しつけは行わない。「母親がやるべきことはしっかりやってもらう」と、夕食を食べさせてから預けるか、手作りの弁当を持参するよう求める。

 CFの寄付は3月27日まで募っており、目標額は150万円。内外装工事などの初期投資約400万円のうち内装費に充てる。返礼品は越前和紙製のアートフラワーで、シングルマザーの内職にする狙いもある。

 柿木さんは「シングルマザーが夜も働かなくてよい社会にすることが目標だが、現実には働かざるを得ない母親と、寂しい思いをしている子どもがいる。母子ともに安心できる場をつくりたい」と話している。