「東証一時3万円突破」を伝える大型ビジョンのニュース=2月15日午前、福井県福井市のハピリンの屋根付き広場ハピテラス

 東京株式市場の日経平均株価が2月15日、バブル経済期の1990年8月以来、約30年半ぶりに3万円の大台を突破し、福井県内の証券会社や投資家からは「景気回復を先取りする強気相場」「金余りの“コロナバブル”」との声が上がった。新型コロナウイルス禍の影響を受ける実体経済との乖離から高値警戒を指摘する声がある一方、引き続き底堅い展開を予想する見方もある。

 2月前半に集中した3月期決算企業の第3四半期決算の発表で、通期予想を上方修正する企業が多かったことが株価を押し上げている要因の一つだ。福井県内の上場企業も、3月期決算8社(金融機関除く)のうち、15日時点で5社が通期予想を上方修正した。

 「コロナ禍でも事業見直しやコスト削減などで、日本企業の稼ぐ力が高まったことが確認され、海外投資家の日本株見直しにつながっている」と話すのは、ますも証券(本社福井市)の担当者。トヨタ自動車をはじめ国内メーカーの自動車生産が想定以上の回復を示したことも大きいという。

 政府が新型コロナワクチンの先行接種を今週中に始める方向との報道も受け、三津井証券(同)の担当者は「景気回復を先取りした買いが入っている」とみる。「以前から日本株は世界の景気敏感株として捉えられ、景気回復局面では海外勢からも買いが入りやすい」と指摘した。

 「米国市場の強い上昇トレンドも要因」と語るのは、投資スクールを運営するエクセレントホース(同)の村居孝美社長。バイデン米大統領の誕生で、市場から金融政策などへの期待感が引き続き高いという。

 さらに、株高の背景として指摘されるのは、世界各国の新型コロナ対策の財政出動や金融緩和政策でだぶついた資金が株式市場に流入している点だ。三津井証券の担当者は「(株高は)実体経済とかけ離れているが、金余り現象で行き場のない資金が株式に回っている」。村居社長も「実態はコロナバブルと言っていい」と話した。

 日経平均は3万円という節目を達成したため、利益確定売りが相次ぎ調整局面に入る可能性がある。ただ「決算の良い出遅れ銘柄が買われる方向に」(三津井証券)、「押し目買いの意欲は強く、日経平均は3万1千円を目指す可能性も」(ますも証券)と、底堅い展開を予想する見方もある。

 一方、中長期的には警戒感が強まるとの意見も多い。村居社長は「コロナが収束して経済の実情が見えてきたときにどうなるか」と疑問を投げ掛け、いずれは株価が下降局面になると指摘した。