イギリス出身・スイス在住の核物理学者で、廃棄物貯蔵問題専門家としても高名なチャールズ・マッコンビーが、世界各地の原発から出ている<核のゴミ>処分場を巡る問題と向き合いながら、アメリカのユッカマウンテン、イギリスのセラフィールド、中国のゴビ砂漠、青森県六ヶ所村、スウェーデン、スイスなど各国の最終処分場や候補地を巡る姿を追いかけたドキュメンタリー映画です。

 数万年かけて、安全な場所に保管しなければならない<核のゴミ>は世界ですでに35万トン以上になっていて、処分施設が世界においても十分に整備されていないまま世界中で増え続けているのだそう。まず、数万年後の未来なんて、あまりにも遠すぎて全く想像が及ばないし、それだけの年月をかけても放射能レベルが生物に対して無害にならないという放射性廃棄物って本当に恐ろしい。そもそも、そんな恐ろしいものを作り続けている人間は一体どうやって、地球の未来に対して責任を取るっていうのか。この世の中には様々な環境問題がありますが、もはやどれから片付ければいいの!って若干パニックにすらなってしまいました。チャールズ博士は最初のインタビューから、「原発は人間にとって必要だからね」と話していて、明確に反原発の立場を示している監督のエドガー・ハーゲンと真っ正面からぶつかっている様子も衝撃でした。でもこの博士の背中を見てからこそ、どう処分していくべきか、冷静に問題と向き合っている姿勢が伝わってきました。映画を見ると、この問題が私たち一人一人にとっても近い話で、世界中の人がちゃんと向き合わなきゃいけないことなんだなって改めて認識させられる作品でした。★★★★☆(森田真帆)

2月20日から全国順次公開

監督:エドガー・ハーゲン

出演:チャールズ・マッコンビー