新型コロナウイルス感染症のワクチンを保管する超低温冷凍庫=2月8日、福井県勝山市の福井勝山総合病院

 新型コロナウイルス感染症ワクチンの医療従事者への先行接種が行われる福井勝山総合病院(福井県勝山市)に2月8日までに、ワクチンを保管する超低温冷凍庫(ディープフリーザー)が搬入された。同病院では医師や看護師ら約430人を対象に2月中下旬から接種を始め、3月中に1人2回の接種を終える方針。福井県内の供給拠点となる12施設にも順次、冷凍庫が配備される予定で、接種に向けた準備が本格化する。

 ワクチンは米製薬大手ファイザー製で、安全性や有効性が認められれば、厚生労働相が15日にも正式承認する。これを受け、全国100施設の医療従事者に対する先行接種が始まる。県内は勝山総合病院が対象となった。

 同病院はワクチンの効果や副反応などについて職員に動画などで説明し、一人一人から希望を募った。須藤弘之副院長は「大多数のスタッフが接種することになった。職員はより安全に患者に対応できるし、職員から患者に感染させるというリスクも下げられると思う」と述べた。

 ワクチンは1度目の接種から3週間程度空けて再び接種する。1日の接種人数は最大50人程度を見込んでいる。接種は通常の業務の合間に行う予定。海外では発熱などの副反応も報告されており、須藤副院長は「副反応があれば、適切に患者に対応できない。医療の質を低下させないよう、分散接種の体制を組みたい」とした。

 ファイザー製のワクチンは零下75度で保管する必要があり、7日に同病院に冷凍庫が搬入された。病院によると、800本程度のワクチン(1本5~7人分)が収納できる。ワクチンの国内輸送はヤマトホールディングス(HD)など日本とドイツの計3社が手掛け、国は安全に輸送するための指針を作成する方針。

 国のスケジュールでは医療従事者に続き、4月以降に高齢者、一般住民の接種が始まる。福井勝山総合病院の兜正則院長は「治療法がない中で、ワクチンは集団免疫を獲得するため重要。副反応ばかりが強調され、接種をためらう人が多い中、不安を払しょくできればと思い、先行接種に参加することにした。われわれの情報が不安解消の一助になれば」としている。