自ら発見した真三錐歯類の化石を見つめる酒井佑輔さん=2月4日、福井県勝山市の県立恐竜博物館

 福井県の県立恐竜博物館(勝山市)と大野市との共同調査で、大野市の約1億2700万年前(白亜紀前期)の地層「手取層群伊月層」から、哺乳類の一種で突起がある歯を持つ「真三錐歯類(しんさんすいしるい)」の国内最古級の化石が見つかった。発見エリアは大野市に広がる手取層群伊月層の中でも荒島岳の東側に位置し、2019年以降に調査が本格化した場所で「今後も発見が期待できる」と関係者は話す。

 大野ではこれまでも別の場所で恐竜を含めた古生物の化石が発掘されており「広大な研究フィールドがあることが再確認できた」とし、「化石では隣の勝山市が知られているが、これを機に大野への注目も高まるといい」と意気込む。

⇒大野市で国内最古級の哺乳類化石発見

 県立恐竜博物館と大野市は15年度から共同調査をスタート。その一環で同市教委主任学芸員の酒井佑輔さんは、化石が眠る可能性が高い地域をピックアップして調べてきた。荒島岳東側もその一つで19年6月に訪れた。崖が崩れた場所に転がっていた石を割ると、真三錐歯類の化石があり「すごいものを見つけた」と当時を振り返る。その後博物館とのグループで調査を進め、「トリティロドン類」の化石発見にもつながった。

 同博物館研究員で共同調査担当の中田健太郎さんは「この場所ではほかの脊椎動物の化石も見つかっており、研究している段階」と明かし「今後も調査を続けたい」と強調。同館主任研究員の宮田和周(かずのり)さんは、勝山市で恐竜化石が発掘されている約1億2千万年前の地層より古い地層であることから「同じ恐竜が生きた時代でも、一つの県で古い時代と新しい時代を概観できる。期待は大きい」とする。

 大野では別の場所で鳥脚類恐竜やティラノサウルス類の歯化石などが見つかっている。今後へ向け、酒井さんは「これだけいろんなものが見つかるところはそうはない。勝山などほかの場所で欠けている情報が大野にはある。もっと大規模な調査を進めたい」と目を輝かせた。