真三錐歯類(手前)と、トリティロドン類(右奥)のイメージ画(山本匠さん提供)

福井県大野市で発見された真三錐歯類の化石の一部。特徴的な歯の突起が分かる(福井県立恐竜博物館提供)

 福井県立恐竜博物館(勝山市)は2月7日、同県大野市との共同調査で、同市の約1億2700万年前(白亜紀前期)の地層「手取層群伊月層」から、哺乳類の一種で突起がある歯を持つ「真三錐歯類(しんさんすいしるい)」の国内最古級の化石を発見したと発表した。同類の化石はこれまでに国内で3種類見つかっているものの、そのいずれとも違いがあり、新種の可能性もあるとみてさらに研究を進める。

 また、同じ場所から爬虫類から哺乳類への進化段階にある草食動物「トリティロドン類」の化石も発掘したことを明らかにした。

 同日にオンライン開催された日本古生物学会の例会で、同館主任研究員の宮田和周さん、同館研究員の中田健太郎さん、大野市教委主任学芸員の酒井佑輔さんらが発表した。

 真三錐歯類の化石は2019年6月に酒井さんが発見した。左側の下あごの中央部に当たり、長さ約13ミリ、高さ約6ミリで、歯が3本残っていた。このうち奥歯の2本に、1本に付き三つの大きな突起がある特徴などから判断した。

 同類はこれまで、国内では石川県白山市で2種、福井県勝山市で1種発見されているが、それらとはあごの骨や詳細な歯の形状が異なる。宮田さんは「別種であることは明らか。新種の可能性は十分にある」と解説。「恐竜が生きた時代に、いかに多様な哺乳類がいたかを示す重要な化石」と指摘した。

 また勝山市の化石は約1億2千万年前の、白山市のは約1億3千万年前~約1億2100万年前の地層からの発見で「勝山市のものより数百年万年は古い。白山市のものと同程度か、さらに古い可能性がある」とした。

 トリティロドン類の化石は19年9月の追加調査で見つかった。長さ約7ミリ、幅約5ミリの奥歯部分で、15年にも大野市の別の場所で前歯の発見例があるほか、白山市などでも見つかっている。生態が似ている哺乳類の繁栄とともに絶滅していった種だが、宮田さんは「北陸地方などでは哺乳類と共存する生態系が広がっていたことが確認できる資料」としている。

 真三錐歯類とトリティロドン類の化石は3月中旬から同博物館で、4月中旬から大野市内で公開する予定。