バンドの世界デビューが決まった津軽三味線奏者の谷川祐司さん

 福井県福井市の津軽三味線奏者、谷川祐司さん(32)が所属するインストゥルメンタルバンド「The Shamisenist(シャミセニスト)」が、2020年に開かれた米レーベル主催のオーディションで優勝した。津軽三味線世界大会で優勝した腕前をひっさげ、世界にデビューする。

 谷川さんは福井農林高校時代に郷土芸能部に所属。卒業後に加入した同部OBの和太鼓チームで、21歳のときに独学で三味線に取り組んだ。23歳で上京し山中信人さん(埼玉県)に弟子入り。17年に初出場した世界大会の唄付けB級伴奏部門で優勝するまでに上達した。

 バンドは三味線奏者2人とドラムの3人組。谷川さんは「ベース三味線」を担当する。アンプをつなげ、エレキギターで音調を変化させるエフェクターを組み込んだオリジナルの三味線で、音の迫力があるのが売り。12年に三味線奏者2人で結成、15年にドラムが加入し、3人で東京を拠点に国内外で活動してきた。

 熱量のあるライブに定評があり、3枚のフルアルバムをリリースしてきた。20年2月は初のヨーロッパツアーを行い、大きな反響を呼んだ。

 オーディションは20年8月、日本のバンドを対象に開かれ、200組を超す応募からシャミセニストを含む15組が決勝ラウンドに進出。東京のライブハウスでの演奏を審査した。「日本の古典的な楽器を使いながらもグローバルな影響を受け入れ、逆に世界に影響力を発信していけるクリエイティブな才能」と、評価は高かった。

 新型コロナウイルス感染が拡大した20年、「東京にいないとできないことを考えたが、なかった」とUターンを決意。同年末に移住、結婚。年明けすぐに優勝の吉報を受け「苦労が報われたようで、泣きました」と話す。

 世界デビューの時期は新型コロナの状況次第となっているが、谷川さんは「楽曲やバンドの実力には自信がある。いい作品を作り続けるだけ」ときっぱり。「好きなことを続けられて幸せ」と、福井から世界へと目を輝かせていた。