インタビューに答える西川貴教さん

 古里滋賀で2009年に地方創生を掲げて始めた大型野外イベント「イナズマロックフェス」。最初は滋賀でできるのか、1、2年しか続かないと思っていた人が地元でも大半。けど、5年目を過ぎたころから地域の皆さんの意識の変化というのか、イベントをチャンスに変える発想を持つ人が増え始めた。フードイベント併設など、いろんなことが積み重なって今がある。

 地域の中で何かを生み出してこそ地方創生。昨年12年目を迎え、今後は観光だけでなく、次を担う人材の育成や新しいコンテンツを生み出すことも考えている。

 できない理由を見つけるのは簡単。地方だからできないじゃなく、地方だからできると声を上げる。そこから意識は変わる。今、変化のスピードは速い。こんな時代だからこそ、みんなでバカみたいに夢見てもいいかなって。今まで福井に可能性がなかったことも、数年でものすごくいろんなものが変化する可能性がある。諦めるのはまだまだ早い。

 -「イナズマロックフェス」は、19年には2日間で約9万5千人を動員した。始めた理由は。

 滋賀は愛知、京都、大阪の大都市に挟まれて、勤め先が県外という人が多い。滋賀からクリエイティブな何かを生みだし、発信することができていなかった。福井も同じことが言えるかもしれない。ちょっとしたことでいいから地域で誇りに思えるものをつくることができれば、意識は変わっていく。滋賀県を変えるきっかけとしてイナズマロックフェスを提案した。

 -「イナズマ」は滋賀県とタッグを組んで続けている点が特徴的。昨年のオンライン開催は、県庁知事室から生配信を成功させた。

 渋滞など人が集まるとトラブルは起きやすい。今まで行政はイベント主催者に注意を促す立場だったが、それじゃ物事は育たない。資金的な協力は一切してもらわない代わりに、一緒に取り組んでもらった。イベント立ち上げには、地元との橋渡し役として行政の役割は欠かせない。管理側という意識を変えてもらうところからスタートした。