新型コロナワクチン接種開始を控え、アナフィラキシーの注意点を説明する大嶋勇成教授=福井県永平寺町の福井大学松岡キャンパス

 16歳以上を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種について、福井県内でも着々と準備が進められている。海外では副反応の一つとして「アナフィラキシー」と呼ばれる重篤なアレルギー症状が報告されている中、日本アレルギー学会常務理事の大嶋勇成・福井大学医学部小児科教授は「過去のワクチン接種後のアレルギー反応や、普段飲んでいる薬を把握し、接種前の問診で正しく伝えることが大切」と指摘。万一に備え、接種後の一定時間は会場で安静にするよう呼び掛ける。

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 アナフィラキシーは、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)が体内に侵入することによって複数の臓器にアレルギー症状が起こり、生命に危機を与える過敏反応を指す。アレルゲンは一般的に卵や小麦、ソバなどの食物、昆虫の毒、薬剤などが知られているが、ワクチンの場合は主成分のほかに、製造過程での残留成分や安定化剤、ワクチンの効果を増強させるための成分もアレルゲンになる可能性があるという。大嶋教授は「インフルエンザでも新型コロナでも、どんなワクチンでもアナフィラキシーは起こり得る」と説明する。

 アナフィラキシーの特徴は▽全身にじんましんなどが出る▽唇や舌などが腫れる▽呼吸困難や低酸素症になる▽強い腹痛や嘔吐(おうと)―がある。さらに血圧低下や意識障害を伴うと、より重篤な「アナフィラキシーショック」になる。

 大嶋教授によれば、過去にワクチン接種や注射などでアナフィラキシーが出た経験がある人は、新型コロナワクチンも接種できない場合がある。薬などでアレルギー反応が出やすい体質の人も注意が必要で「事前に主治医とよく相談してほしい」と話す。

 ワクチン接種後に急速に症状が出るのは15分以内が多く、「すぐにアドレナリン注射や酸素投与など、救急対応できる適切な態勢が整っていれば回復できる」とする一方で「万一に備え、接種後15分~30分程度は会場に待機し、安静にするべき」とする。

 ただし、血圧を下げる「β遮断薬(βブロッカー)」を内服している人にアナフィラキシー症状が出た場合、アドレナリンが効きにくいことがあり、別の薬の投与が必要になることがあるという。「普段飲んでいる薬を主治医に確認しておき、問診票に正しく記入した上で、接種会場の問診でも医師に正しく伝えられるよう備えて」と助言する。

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 新型コロナワクチンは3週間程度の間隔を空け、2回接種が必要とされる。大嶋教授は「初回で異常がなくても、2回目でアナフィラキシーが出ないとは限らない。接種する人は、2回とも同じ準備で臨んでほしい」と話している。