プロ野球広島の元投手で、最多勝のタイトルを獲得したことのある高橋里志さん(72)=福井県敦賀市出身=が亡くなった。高橋さんと同じ1968年にプロ球界入りした美浜町出身で元阪神の川藤幸三さん(71)は「早すぎる。残念」と訃報に驚きを隠せなかった。
高校、プロを通じて対戦機会はなかったというが、川藤さんは「同県人ということで意識していた。スライダー、シュートのストライクへの出し入れで打者を打ち取る投手だった。一度は対戦したかった」と振り返る。
ともに86年限りで現役を引退。その後は、川藤さんが仕事で広島を訪れた時に「元気にしているか」「たまには(高橋さん経営の)店にも来いよ」などと会話していたという。
福井県内で行われた少年野球教室では一緒になって指導した。最後に会ったのは一昨年。「全然そんな(悪い)気配はなかった。ゆっくりお休みください」と悼んだ。
高橋さんの弟(66)=敦賀市=によると、晩年は寝たきりの状態だったという。2週間ほど前に見舞った際は約2時間、大好物だったソースカツ丼やへしこの話などで盛り上がった。「(葬儀の時は)安らかな顔をしていた」と話していた。