2020年8月、感染拡大警報について説明する福井県の杉本達治知事。コロナ対応とリーダーシップが医療関係者から高い評価を得ている=福井県庁

 新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた福井県の取り組みが医療現場から評価を受けている。福井県医師会と連携したPCR検査や医療体制の充実により感染拡大を防止し、入手困難だったマスクの購入券を全世帯に配布する独自の施策は全国から注目を集めた。全国の医師を対象に勤務先の都道府県知事のコロナ対応とリーダーシップを尋ねたアンケートでは、杉本達治知事の評価点が全国トップとなった。

 杉本知事は第1波(3~4月)の際、早期に国の疫学専門家チーム「クラスター対策班」の派遣を要請し、感染拡大に歯止めをかけた。医療機関が重症者らの治療に専念できるよう、「福井市少年自然の家」を全国初の軽症・無症状感染者向け一時生活施設として開設。さらに民間ホテルにも施設を拡大し、軽症患者の療養生活の質を高めた。

⇒福井県全世帯にマスク購入券、全国初

 感染症指定医療機関の負担を軽減するため、県医師会と連携して発熱者外来「感染症対策センター」を開設。「少しでも基幹病院の助けになれば」と開業医らが交代で出向き、PCR検査のための検体採取に当たってきた。インフルエンザの同時流行に備え、11月からは約250の医療機関の協力を得て、新型コロナの検査体制を増強した。

 全国の医師を対象にしたアンケートは、医療従事者向け情報サイト「m3.com」が1月8~13日、全国の医師会員にメールで実施。4006人(県内26人)から回答を得た。

⇒【グラフ】福井県の新型コロナ感染状況

 5段階評価で、杉本知事は平均3・96の評価を得て全国1位だった。自由回答欄には「感染経路や濃厚接触者を把握できている」などの意見があった。2位は鳥取県の平井伸治知事で平均3・79、3位が和歌山県の仁坂吉伸知事で平均3・58。最下位は石川県の谷本正憲知事で平均2・11だった。全国平均は2・87。

 都市部では自治体と医師会のスムーズな連携が必ずしも実現していない中、福井県医師会の池端幸彦会長は「危機管理はトップが現場の状況を即理解し、即決断して即行動に移すかにかかっている。杉本知事は現場の声をしっかり聞いてくれる」と評価。県幹部や県医師会長、県看護協会長らが原則週1回ミーティングを続け情報共有を図っており、「これほど連携を密にしている県は他にないのでは」と話している。