医師とラグビー競技の両立を目指す渡邉佑衣選手=福井県福井市の9.98スタジアム

 7人制女子ラグビーの福井県勢「福井女子闘球倶楽部」に医師を志す大学生がいる。小学時代から続ける陸上競技に加え、1年前にラグビーの世界へ飛び込んだ。国家試験の勉強と同じく「難しいこと、新しいことに挑戦するのは楽しい」。医学とスポーツ、二足のわらじで輝き続ける。

 福井大学医学部医学科6年生の渡邉佑衣さん(25)。元国体選手の父の影響を受け、小学3年から陸上を続ける。大学3年時には女子十種競技の大会で福井県記録を打ち立て、翌年更新するなど本格的にトレーニングを積む。昨年初めに「小さい頃からやりたかった」という球技にも挑戦することを決めた。

 競技選びに悩んでいたところ、医学部男子ラグビー部の友人に福井女子闘球倶楽部を紹介された。福井国体を機に母体ができ、2019年に今の名称に変わった新しいチーム。他競技から転向した選手が大半で、「みんなで一からつくり上げる。挑戦しがいがあると思った」。新型コロナウイルスの影響で活動が制限される中、少しでも慣れようと自宅にボールを持ち帰って練習に励む。

 待ち望んだ公式戦の出番が昨年10月にやってきた。福井と近隣3県による新リーグの試合が福井県おおい町であり、100メートル13秒を切る俊足を武器にウイングで出場。ハーフライン手前でパスを受けると60メートル超を独走し、初トライを決めた。

 ルールは複雑だし、タックルを受けると当然痛い。それでも「作戦を練ってトライを目指し、成功した時は最高。まさにワンチームという感じ」。体は細めだが体幹の強さとスピードに自信がある。「ポジションごとに役割が違う。個性を生かせるスポーツ」と魅力を語る。

 2月上旬に医師国家試験を控え、毎日10時間机に向かう。医師の夢をつかんだ後もラグビーを続けるつもりだ。「女子ではマイナーな競技。県内での普及にも役立ちたい」