ゆうパックの配送に当たる近助タクシーのドライバー(右)=2月1日、福井県永平寺町吉波

 福井県永平寺町志比北、鳴鹿山鹿両地区で同町が運行する予約制乗り合いのデマンド型交通「近助タクシー」で乗客の送迎の合間に、日本郵便のゆうパックを配達する実証実験が2月1日、始まった。町などによると、乗客と荷物を一つの車両で運ぶ「貨客混載」で、郵便局の代わりに個人宅へ配るのは全国初の試み。12日まで実施しドライバーの負担など課題を検証する。関係者は「来年度以降の本格実施を目指したい」と意気込む。

 近助タクシーは昨年10月に有料の本格運行を始めた。両地区の住民を対象に自宅と町内の所定の目的地の間を送迎し、ドライバーも地域の住民が担っている。

 実証実験は町と日本郵便が連携し、国の補助を活用して展開する。少子高齢化で郵便局の配達員不足が懸念される中、将来的な住民サービスの維持を図る。実験期間中、近助タクシーへの配達委託料は無償だが、本格実施後は有償にしてタクシー事業の採算性向上も目指す。

 実験期間内は近助タクシーで平日の午前中、両地区を対象としたゆうパックのうち、時間指定がないものなどの配達を担当する。同町の志比郵便局で荷物を積み込んだ後、乗客の送迎業務を実施。送迎の予定がない時間に荷物を配る。1日当たり五つ程度の配送を予定している。

 実験開始に当たって報道機関向けの説明会が同郵便局であり、河合永充町長は「取り組みが町内のサービス向上はもちろん、全国のモデルになることを願っている」とあいさつ。同郵便局の補助を担う福井市の福井南郵便局の嶋田淳局長も「(実験後に)町と課題の洗い出しを行い、本格実施ができるか検討したい」と述べた。

 この後、近助タクシーが早速宅配へ出発し、四つの荷物を取り扱った。ドライバーの山口勉さん(65)は「乗客を送迎するのと同じように緊張する。地域の皆さんに貢献できてうれしい」と重責に表情を引き締めていた。

 また町は2日からの毎週火曜に、県民生協の移動販売拠点を志比北地区に設け、近助タクシーで送迎する事業を行う。