邦楽ミックスCDの第一人者、DJ和の2020年末作品。今回は、1990年代中心のヒット曲集ゆえ、当時のドラマ出演も多い石田ゆり子をジャケットに起用。これだけでも話題性十分だが、実際に約75分間全36曲を聴くと、随所に彼の手腕が光る。

 まず、1曲目『世界中の誰よりきっと』から10曲目『それが大事』は、前半の盛り上げ役で明るいアゲアゲな楽曲が並ぶ。なるべく間奏少なめにどんどん繋いでいくのがDJ和のスタイルで、つい一緒に口ずさみたくなる。

 次に、11曲目『You’re the Only…』から20曲目『I’m proud』まではスローからミディアム調中心。90年代ヒット集なのに、小室哲哉がわずか2曲で、バブリーなメガヒットよりも歌い継がれることを優先したようにも映る。

 さらに、21曲目『アゲハ蝶』から31曲目『Choo Choo TRAIN』までは、GLAYやプリンセス プリンセスなどバンド系多めでより力強く盛り上げていく。前半のZARDや倉木麻衣もそうだが、T-BOLANやFIELD OF VIEWなどストリーミング未解禁(2020年末時点)のビーイング系の楽曲が多めなのも、ミックスCDならではの醍醐味だろう。

 そして、32曲目『ラブ・ストーリーは突然に』から36曲目『LOVE LOVE LOVE』は小田和正、浜田省吾、久保田利伸、大黒摩季、ドリカムと、レジェンド達の名曲の連続で、CD演奏中の各クルマから大合唱が聞こえてきそうだ。本作を聴けば、石田ゆり子にはなれなくても、彼女のように自然な笑顔に近づけるはず。

(ソニー・2000円+税)=臼井孝

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