大型ダンプカー(左)に市道の雪を積むタイヤショベル。建設会社の社員らは、ほぼ不眠不休で除雪作業に当たった=1月11日午前0時ごろ、福井市内(辻広組提供)

 福井県嶺北地方を中心とした1月の大雪で、1メートルを超える積雪となった福井市などでは、建設会社の社員らがほぼ不眠不休で道路除雪に当たった。自宅に戻ることもままならない長時間の激務だったが、市民からの温かい言葉が大きな力になったという。除雪車両のオペレーター(操作員)らに、作業のピークとなった9~11の3日間を振り返ってもらった。

⇒【動画】福井大雪、交通まひ続き生活混乱

 「除雪作業を終えても体が揺れている感じ。乗り物酔いしているみたい」。福井市内の県道や公共施設で除雪に当たった辻広組(本社同市)工事部の主任(42)は、当時の状況を話す。

 作業は午後11時~午前1時に始まり、終了するのは午後6~8時。1日18~20時間、タイヤショベルに乗り続けた。次の出動までわずか3時間しかない日もあり、自宅で風呂、食事をさっさと済ませ、自家用車内で30分ほど仮眠して再び作業に戻った。

 雪をすくうバケットを上げる時は、左足でブレーキをしっかり踏んだ状態で右足でアクセルを強く踏み込み、エンジンを吹かしながら行う。「両足がぱんぱんで、膝も痛かった」と激務を振り返る。

 原動力になったのは、住民からの「ありがとう」などの感謝の言葉や、コーヒー、お茶などの差し入れだったという。作業中、救急車などが雪道を走る場面を見ると「早くやらないと」と使命感に駆られた。

 ほぼ出ずっぱりだったのは裏方も同じ。同社工事部の係長(42)は、市管理道路の担当エリアの責任者として、エリア内を巡回しながら人や機械などの配置や行政とのパイプ役を担った。この3日間は自宅に戻れず、自家用車内で寝泊まりした。「いつまで続くのか終わりが見えない中での作業。精神的なつらさがあった」と振り返った。

 一方、嫌な思いをすることもあった。「道路脇などに残ってしまう雪の塊を取ってから行けと、近隣住民に怒鳴られたり、もうかってるんでしょと嫌みを言われたり」(主任)。係長も「圧雪は雪が降り続いている中だとなかなか取り除けない。スタックが増えていつ除雪するのかといった苦情が、市を通じてたくさんあった」という。

⇒除雪ありがとう…役所に女児から手紙

 ある建設会社の幹部は「正直そこまで利益になる仕事ではない。でも、どこも限られた人員で一生懸命やっている」と訴える。その上で「病院がある道や幹線道路など、除雪に優先順位があることも分かってほしい」と理解を求めた。

関連記事