8番らーめんの店舗でアルバイトする男子高校生。調理を任され、意欲的に取り組んでいる

 飲食業のアモーレながすぎ(福井県鯖江市)は地域貢献の一環として、丹南地域の児童養護施設からアルバイトを積極的に受け入れて3年余りになる。親族に引き取られて育った経験を持つ管理職の熱意からだ。昨年12月から始めた男子高校生(17)は、周囲が温かく迎えてくれたこともあり「バイトの日がすごく楽しみ。一つ一つ丁寧に向き合いたい」と意欲的に働いている。

 同社は8番らーめん、コメダ珈琲店、炭火焼肉屋さかいのフランチャイズ運営を行っている。従来も児童養護施設からアルバイトを受け入れていたが「飲食を通じて地域社会の役に立ちたい」との理念の下、2017年からは施設に案内を出すなど、より積極的になった。同年以降、働いたアルバイトは計8人になる。

 採用を後押ししたのは、親族に引き取られて育った経験がある管理職だ。「頑張ろうとする施設の子どもたちの力になりたい」との熱意に、他の社員も賛同した。

 昨年12月から入った男子生徒は、丹南地域の施設で暮らす高校3年生。卒業後の就職先も決まって1人暮らしを始めるに当たり、まず自動車学校に通う費用をためようと計画。8番らーめんの店舗に直接、電話でアルバイトを申し込み、意欲を買われて採用された。

 最初は洗い場が中心だったが、次第に調理場も担っている。これまで苦労してきた分、仕事への意欲は高く「社会に出たからにはミスは許されない。先輩のように素早く動くことができない分、声を出そうと頑張っている」。採用した8番らーめん事業部統括マネジャーの前田昭仁さんは「こんなに一生懸命な子が来てくれて、本当にうれしい」と評価する。

 同社は運営する全店舗で、従業員同士が互いの長所などを記す「ありがとうノート」を取り入れている。男子生徒に向けては「ようこそ!」「大きな声が出せていた」と温かい言葉が並び、生徒は周囲に「みんな優しい」と感謝する。

 同社店舗運営部の濱端翔太部長は「施設の子どもたちは本当に真面目で、われわれも刺激を受けている。彼らに理解を示し、受け入れる企業が少しでも増えたら」と話した。

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