2020年11月、ひび割れが発生した加賀トンネルを視察する福井県議会議員ら=石川県加賀市

 北陸新幹線金沢―敦賀間で、地盤膨張の対策工事が行われている福井・石川県境の加賀トンネル(延長5・5キロ)で、膨張によるひび割れが拡大していることが1月22日、明らかになった。建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構は「今後の調査結果を踏まえ、対策工事の範囲や全体工程への影響を検討する」としている。

 開業が2024年春に遅れることを受け、国土交通省や鉄道・運輸機構、福井、石川県などが同日設置した「工程・事業費管理連絡会議」の初会合で、機構の湯山和利理事が報告した。

 最も工期が遅れている敦賀駅は大雪の影響で作業工程が一部変更されたが、全体工程に影響はないという。駅舎は21年11月着工、23年4月完成予定のスケジュールが示された。

 加賀トンネルでは、地盤の膨張で底部が押し上げられ、トンネル全体で計約1キロのひび割れがこれまでに発生。底部に長さ約12メートルの固定ボルトを打ち込み、地盤の変形を抑える工事を昨年8月から行っている。予定されたボルト1356本のうち、今月12日時点で723本を打ち終えた。

 ただ、北・南工区(計約3・1キロ)を再調査したところ、幅0・5ミリ以上のひび割れが新たに複数箇所で確認された。ひび割れの幅が広がっている所もあった。箇所数について鉄道・運輸機構は「(残る中工区の調査を終え)全体像をつかんだ上で正確な情報として提供したい」と説明した。

 今後は週1回のペースでひび割れの状況を計測し対策の必要性などを検討するとし、「最終的に(有識者でつくる)トンネル施工技術委員会に相談しながら進めたい」と話した。

 加賀トンネルに関しては昨年11月時点で、工期が10カ月以上遅れる恐れがあることが判明。その後、敦賀開業の1年遅れが正式に決まった。会合で石川県の中西吉明副知事は「23年度末までの開業に影響が生じないよう、検討や対策をしっかり行っていただきたい」と述べた。

 会合では、昨年末以降、福井県内の三つの工区で協力会社社員が新型コロナウイルスに感染し、作業が最大2週間程度中断したことも報告された。工程への影響はないという。福井県の中村保博副知事は「各方面から作業員が一つの現場に集中するので、隅々まで気を配り、感染拡大を食い止めていただきたい」と求めた。

 会議は工事の進捗(しんちょく)や事業費の執行状況を共有するのが目的で、年3~4回程度開催する。

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