小林化工の本社=福井県あわら市

 福井県あわら市の小林化工が製造した爪水虫などの治療薬に、睡眠導入剤成分が混入し健康被害が相次いだ問題で同社は1月20日、混入の原因や製造・品質管理の体制などに関する報告書を福井県に提出した。県医薬食品・衛生課の辻正宏課長は「これから中身を精査する」とし、場合によっては追加で立ち入り調査などを行う可能性もあるとした。

 報告書は県が今月8日、医薬品医療機器法に基づき提出を命じた。県や厚生労働省は昨年12月に同社を立ち入り調査している。県は厚労省と協議しながら違反事実を確定し、年度内の早い時期に行政処分を行う方針。

 県医薬食品・衛生課によると、報告書は分厚いA4判ファイル2冊。20日午後4時40分ごろ、同社の小林広幸社長ら3人が福井市の県福井健康福祉センターを訪れ、同課の職員に手渡した。同社は「事業活動全体を自己点検してまとめた。まだ調査は続いており、(内容の)説明は控えたい」としている。

 同社などによると、問題の錠剤に睡眠導入剤成分が混入した経緯のほか、同錠剤など複数の製品で判明した国の承認書にない製造工程、他の製品の工程や管理体制などを報告した。同社は製造品目が多く、担当者は「製造記録などの点検作業は完了していない」としている。

 混入があったのは同社の経口抗真菌剤イトラコナゾール錠50「MEEK」の一部ロット。意識消失や記憶喪失、ふらつきなど服用した患者の健康被害の報告は18日時点で214人に上り、70代女性と80代男性の2人が死亡した。

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