空気を切り裂くような研ぎ澄まされたサウンド、突き抜ける伸びやかな歌声。ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル・ロックの象徴=デフ・レパードここにあり、といわんばかりの圧巻のライヴパフォーマンスだ。全世界で1億枚以上を売り上げてきたメガバンドとして、今も多くのアーティストに刺激と影響を与え続ける彼らが2019年、ラスベガスにて行ったレジデンシー公演のなかから、選りすぐりの28曲を収録した本作。なにより“beforeコロナ”の白熱したオーディエンスとのかけあいがまぶしい。

 そんなライヴとともに注目したいのはステージができあがるまでの舞台裏の様子が紹介された特典映像だ。ほんの10分ほどのショートムービーだが、これもまたとても興味深い。マイクの位置、椅子の高さ、ライティングの演出、セットリストの最終調整――綿密な打ち合わせを重ねながらも、スタッフを含め誰もがリラックスしたムードをまとっていて、さすがの余裕と信頼関係、何よりも音楽を奏でる喜びが伝わってくる。揺るぎなき風格と飽くなき探究心が共存する世界、ぜいたくで幸せな音楽体験だった。

(ユニバーサルミュージック・6000円+税)=玉木美企子

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