2019年8月、発足した福井県並行在来線準備会社の看板を設置する西村利光社長(左から2人目)や前田洋一県地域戦略部長(左端)ら=福井県庁

 北陸新幹線金沢-敦賀間の開業遅れを受け、国土交通省は1月19日、福井県並行在来線準備会社に対し、鉄道建設・運輸施設整備支援機構から出資する方針を明らかにした。開業遅れで追加経費が発生する準備会社への支援措置で、1年分の経費にあたる約6億円を想定しているとみられる。鉄道・運輸機構が並行在来線会社に出資するのは初めて。

 この日の自民党国土交通部会で報告した。出席した滝波宏文参院議員によると、金沢―敦賀間の工期遅れで追加経費が生じる準備会社を支援するため、国交省鉄道局から「鉄道・運輸機構から並行在来線会社への出資に係る規定を整理する」との説明があったという。工期遅れに起因した事態に対応し、並行在来線会社に出資できるよう法改正を進める方針。石川県の第三セクター、IRいしかわ鉄道も対象になるもよう。

 金額など具体的な支援策については、1月下旬から福井県側と協議する方向で調整している。昨年11月の自民党北陸新幹線整備プロジェクトチーム(PT)の意見聴取で、準備会社が報告した1年当たりの追加経費約6億円の拠出を検討しているとみられる。

 滝波氏は「国も出資するという形で、踏み込んだ対応を出したと思う」と評価。自民党PT座長の高木毅衆院議員は「並行在来線準備会社に与える影響については、国が補塡(ほてん)すべきであり、出資するという国交省の方針は一定の評価をする。国、県、準備会社がよく話し合うことが何よりも大事だ」と話した。

 北陸新幹線の開業遅れに伴い、県並行在来線準備会社は収入がない状態で、追加経費が最大6億2千万円余りに上ると試算している。内訳は人件費5億円、事務所維持費や光熱水費といった運営費2千万円などで、県は国が全額負担するよう求めている。

 準備会社は2019年8月、1次出資として県や沿線7市町、民間2社から5億円を確保。今年7月ごろには全市町などから15億円の2次出資を予定していたが、新幹線の開業遅れに伴い、増資は先送りされる見込みで、資金不足が懸念されている。

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