1万円給付の主な使い道の独自調査結果

 福井県の坂井市が新型コロナウイルスの緊急対策として昨年、全市民を対象に現金1万円を給付した事業について、元福井県立大地域経済研究所講師の江川誠一氏(53)が、市民の給付金の使い道に関する独自の調査結果をまとめた。1万円受給しても日常の食事や買い物にかける金額はほとんど変化がなく、その主な使途は「生活費」が最も多く、65・7%となった。

⇒【2020年4月】坂井市が全市民に1万円現金給付

 調査は昨秋に実施したスマートフォン決済サービス「PayPay(ペイペイ)」での20%還元キャンペーン(上限1万円)と併せ、政策効果を検証するため実施。インターネットで238の有効回答を得た。

 調査では、1万円受給による日常の食事や買い物などの金額は「ほとんど変らない」が8割に迫り、「少し増えた(節約せず消費)」が20・6%だった。使い道は、生活費に次いで、「特別な出費に活用」が14・6%となり、その内容は58・8%が「特別な食事」だった。「旅行・レジャー」「特別な買い物」がともに17・6%で続いた。

 市によると、1万円給付事業の支給率は99・73%だった。江川氏は「隅々にまで行き渡り、主に生活費に充当されており、市民への広く直接的な支援の意義が大きかった」とまとめた。

 一方、ペイペイ20%還元キャンペーンの認知度は79・9%で、利用率は45・4%。知りながら未利用の理由は「方法が分かりにくい」が34・1%だった。

 日常の食事や買い物の金額については、「少し増えた(節約せず消費)」が44・4%、「かなり増えた(普段よりぜいたくした)」が25・0%となり、利用者の約7割に消費拡大の傾向が見られた。

 買い物などの場所の変化は「市内利用を最優先」「無理のない範囲で市内利用が増えた」と合わせ6割。キャンペーン終了の翌10月に、買い物や食事の場所が市内にシフトした割合は約半数となった。若い世代ほど市内利用に変えた割合が高く、20代は市内最優先が4割を超えた。

 江川氏は「一定の消費拡大、対象事業所の売り上げの確実な上乗せがなされ、間接的な経済的支援の意義が大きかった」とし、民間決済事業者の既存の仕組みを活用した取り組みについて「少ない投資で大きな効果を生む手法」と評価した。

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