2018年と21年の福井県福井市の積雪の比較

 2018年2月以来となった今回の大雪で、福井県福井市の6時間降雪量が25センチに達し、18年時の最大32センチに迫る激しい降り方となった。気象庁が18年の経験を踏まえ新設した「顕著な大雪に関する気象情報」が初めて発表されたが、制度を周知しきれず、大規模な交通障害を防げなかった。

 福井地方気象台によると、今回は1月8日明け方ごろから降雪が増え始め、福井市では9日午後2時までの6時間降雪量が25センチとなった。雪は10日にかけて降り続き、最大積雪107センチを観測した。

 一方、18年当時は5日間雪が続き、1月中旬のまとまった雪が残っていたこともあり、福井市の最大積雪は147センチに上った。

 18年は小浜市でも積雪48センチを記録したのに対し、今回は同県嶺南地方でほとんど降雪がなかった。2度の大雪はともに、帯のように発達した雪雲が連なる「日本海寒帯気団収束帯」(JPCZ)によって、嶺北を中心に次々と雪雲が流れ込んだことが原因。同気象台は「18年はJPCZが南北に動き、嶺南にも雪を降らせた。今回はJPCZに動きがなく、嶺北限定となった」と分析する。

 18年に国道8号で起きた車の大規模立ち往生や福井県からの要望などを受け、気象庁は昨冬、改善策として「顕著な大雪に関する気象情報」を新設した。大雪警報発表中に短時間で激しい雪を観測し、その後も継続すると見込まれる場合、大規模な交通障害が発生する恐れを注意喚起する。8日午前に県内で初めて大野市と福井市に発表した。

 ただ、県民からは「顕著な大雪という言葉を初めて聞いた」という声が多く、翌9日には実際に北陸自動車道で大規模立ち往生が発生した。

 04年の福井豪雨時の福井地方気象台長で、自然災害に詳しい饒村曜(にょうむら・よう)さん(69)=東京都=は、顕著な大雪情報について、雨の場合に発表される「記録的短時間大雨情報」の雪版と解説する。その上で「福井の大雪をきっかけに設けられたのに、緊急性や危機感が伝わらなかったなら意味がない。気象庁など防災機関は、しっかり周知する必要がある」と指摘。繰り返された被害に対しては「昔より車社会が進み、雪による影響や被害の深刻度は増している」と話している。

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