資本提携に関する共同会見後にグータッチを交わす福井銀行の林正博頭取(左)と福邦銀行の渡邉健雄頭取=1月14日、福井県福井市のザ・グランユアーズフクイ

 福井銀行(本店福井県福井市、林正博頭取)と福邦銀行(同、渡邉健雄頭取)は1月14日、それぞれ取締役会を開き、福邦銀が実施する50億円の第三者割当増資を福井銀が引き受ける資本提携について基本合意した。この資本提携により、福井銀は福邦銀株式の過半数を取得する子会社化の方向で協議を進める。2021年度中に手続きが完了する見通し。

 地方銀行再編を看板政策に掲げる菅政権の発足後、実際に経営統合が決まるのは初めて。全国では共同持ち株会社を設立し傘下に各銀行を置くのが一般的で、子会社化は珍しい。

⇒子会社化選択の背景は?(D刊)

 子会社化後も福邦銀のブランドは維持し、1グループ2行体制とする見通し。超低金利の長期化と人口減少で地域金融機関の収益が細る厳しい経営環境の中、福井県を地盤とした第一地銀、第二地銀がグループ化して事務共同化などのコスト削減や業務効率化を図り、生き残りを目指す。

 両行は昨年3月に包括提携を締結した。「Fプロジェクト」と銘打ち、店舗共同化やシステム共有化などを進める一方、相談会の共同開催など顧客サービス向上のための事業も展開。5年間で40億円の連携効果を目指しており、資本提携によって、さらに本部・管理業務の一本化などで効果を高めていく。

 子会社化の方向を選んだ理由について、福井銀の林頭取は福井市内で開いた記者会見で「新型コロナウイルス感染拡大など今後も厳しい経営環境が続くことを見据え、業務提携の早期のシナジー(相乗効果)と効果を最大化する取り組みを加速させるために必要」と強調した。

 今後は第三者割当増資の具体的な発行条件などについて両行が協議し、5月中旬に最終契約を締結。6月下旬の福邦銀の株主総会での承認を経て、7月以降に福井銀の払い込みなどの手続きを完了させる予定。

 また福邦銀は同日、09年に国から注入を受けた60億円の公的資金の返済について、第三者割当増資の実施の前に、前倒しで一括返済すると発表した。これまで積み上げた利益剰余金65億円を使う。

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