大雪で倒壊したビニールハウス=1月13日午後0時15分ごろ、福井県福井市大瀬町

 福井県嶺北地方を中心とした記録的な大雪は農業用ビニールハウスに大きな被害を及ぼした。福井県によると、1月13日正午時点で10市町の130棟の損壊を確認。2018年の大雪に続いて被害を受けた農家は「つらいけどどうしようもない」と途方に暮れる。前回の経験から被害を防いだケースもあった。

 福井市大瀬町の専業農家は13棟のうち1棟が倒壊した。3年前も1棟倒れ、融資を受けて再建。その返済途中での被害に、農家の女性(72)は「今回は再建せず露地栽培に切り替えるつもり。自然には勝てない」と諦め顔だ。倒壊を防ぐためにビニールを破り、栽培中の作物が雪の下敷きになってしまったハウスも複数あるという。同市の別の農家は、ハウスの約1割にあたる4棟が被害を受けた。

 市町別では大野市の47棟が最多。福井市19棟、鯖江市17棟と続く。今後の調査で増える見込みだが、県園芸振興課によると、1000棟超が損壊した18年よりは少ないもよう。高強度ハウスへの建て替えが進んだことや、各農家が除雪に手を尽くしたことも奏功した。

 18年は37棟中13棟が倒壊した福井市高屋町の「農園たや」は今回、全42棟を守った。気象データを参考に降り始めの8日から除雪をスタート。外国人スタッフには18年の除雪作業の動画を見せ、やり方を教えた。除雪の優先順位をつけ、倒壊する可能性が高いハウスから作業をした。

 ハウス用の融雪装置のノズルのチェックや、パイプの補強などは降り始めまでには終えていた。田谷徹代表(46)は「3年前の教訓が生きた。とにかく初動が大事」と話していた。

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