【論説】嶺北を中心とした大雪は峠を越え、小康状態となったようだ。屋根の雪下ろしなどに汗を流す人も多いだろうが、連日の除雪作業で疲れ切っているはず。休憩を取るなど無理せず作業に当たってほしい。

 懸念されるのは、今冬も2018年の豪雪の要因にもなったラニーニャ現象が続き、今後も寒気が流れ込みやすいとの指摘があることだ。数年に一度とされる強烈な寒気が居座り、日本海上に発達した雪雲の帯「日本海寒帯気団収束帯」が絶え間なく福井県付近にぶつかり雪を降らし続ける。18年の大雪は2月上旬だったのに対して、今冬は1月上旬だけに、次もあり得るとみて警戒を強める必要があるだろう。

 とりわけ、車両約1500台が立ち往生した北陸自動車道の除雪態勢の再構築は急務だ。18年を教訓に、大雪時は除雪のため並行する国道8号を交互に通行止めにするなどして南北の大動脈を確保するとし、態勢を強化してきたという。だが、現状はあおりを食った形の国道8号でも渋滞が発生するなど、教訓が生かされたとは到底言い難い。連携の在り方などを急ぎ検証すべきだ。

 鉄路の復旧も欠かせない。新型コロナウイルスの感染拡大で利用者は激減しているものの、人の移動にはなくてはならない。越美北線やえちぜん鉄道、福武線など地域住民の「足」の確保も急ぎたい。16、17日には大学入学共通テストが予定されている。鉄路に加え、路線バスの復旧などにも努め、受験生が支障を来すような事態は避けなければならない。

 福井市内などでは依然、生活道路の除雪が進んでいないところが数多く見受けられる。車を出しても厚さ30センチほどの圧雪のためスタックし、それが除雪車などの対応を遅れさせるという悪循環につながっているともされる。街中では雪を捨てる場所がなく途方に暮れている家庭も少なくない。自治会や町内会によっては除雪車の情報が一向に入らないところもあるという。

 18年時には、灯油などの燃料も品不足になり、慌てて買い出しに走る人も多かったが、今回は輸送経路が確保され、こうしたケースには至っていないようだ。ここに来て、物流網なども徐々に回復してきているという。買い占めなどは厳に慎む必要があろう。

 県内では8日から11日にかけて除雪中の事故や転倒、体調不良などが続出し、生き埋めになるなどして4人が亡くなり、50人以上が重軽傷を負った。高齢世帯の孤立回避や、児童生徒の安全な通学路の確保などは地域ぐるみで取り組みたい。県や市町は住民の安心を取り戻すべく、除雪などに注力してもらいたい。

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