空席が目立った福井市の成人式=1月10日、福井県福井市のフェニックス・プラザ

 福井県内の11市町で1月10日、成人式があった。新型コロナウイルス禍のため事前に中止を決めていた越前町と3月に延期した池田町に加え、大雪のため大野、勝山、坂井市と永平寺町の4市町が急きょ開催を見合わせた。一方、積雪が1メートルを超えた福井市は決行。不要不急の外出自粛が呼び掛けられる状況で開催した市に対し、疑問や批判の声が相次いだ。

 福井市では対象者2536人のうち、大雪の影響などで参加者は1056人にとどまり、会場のフェニックス・プラザは空席が目立った。式典とアトラクションは、コロナ禍のため例年より短縮し約35分で終了。参加できない新成人のために会場の模様をライブ配信し、947回視聴された。

 開催に踏み切った理由を市生涯学習課の担当者は「コロナ禍のため当初は3月か5月に延期することを検討したが、1月と決めてからは延期は前提になかった。このような事態に備えるためライブ配信することにしていた」と説明。市には延期を求める電話が100件以上あったという。

 呉服店などでは着付けのキャンセルが続出。SNS上では「除雪車が入らなくて家から出られません、お願いだから延期してほしいです! 『来られない人はオンラインで』はひどい」「延期をお願いします! 帰って来られない娘から泣きながら電話がありました」などの書き込みが見られた。

 参加する娘を車で会場まで送った父親(53)は「大阪からのJRが止まり、昨日から敦賀で足止めされたままの友達もいると聞く。本当に気の毒」と疲れた表情で語った。

 参加した新成人は、友人との再会を喜びながらも、複雑な思いを口にした。

 大学生の女性(20)は、前日に美容院近くの友人宅に泊めてもらい、朝早く着付けに向かった。美容院のオーナーが着付け後に会場まで送ってくれたという。「雪で家から出られず、出席をあきらめた友達も何人かいる。出たかったと泣いていた。別の日に変更されれば、一緒に出席できたのにと思うと残念」と話した。

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