「ふるさと納税」寄付件数と金額(2020年11月末現在)

 福井県と県内17市町に寄せられている2020年度の「ふるさと納税寄付金」が、過去最高だった19年度の記録を更新することが確実となった。11月末時点で前年度比倍増の28億7800万円に達し、19年度の総額32億9800万円まであと約4億円に迫っている。制度の認知度向上や返礼品の充実に加え、新型コロナウイルス流行に伴う「巣ごもり需要」が追い風に。金額が大きく伸びている自治体は、12月補正予算に追加経費を計上するなど対応に追われている。

 県のまとめによると、市町別のトップは敦賀市の11億6100万円。1億8300万円だった対前年度633%と急伸し、既に昨年度1年間の6億2700万円を大幅に上回っている。昨年8月にインターネットサイト「楽天ふるさと納税」でも募集を始めたことが大きな要因という。

 北陸3県の自治体で17年度から3年連続トップの寄付を集めている坂井市は、前年度比1・5倍の6億8500万円。丸岡城天守の国宝指定やAIロボットによる教育環境づくりなど、具体的な使途を設定して募る独自の「寄付市民参画制度」が効果を上げている。

 越前町が前年度比3・9倍の3400万円、越前市が1・8倍の1億8700万円となるなど市町の寄付額は軒並み伸長。背景には「巣ごもり需要」があり、多くの県民が不要不急の外出を自粛した4月の寄付額は、県全体で前年度の5200万円から1億6千万円に増大した。

 県定住交流課は「返礼品の主なものは肉、魚、フルーツ。新型コロナの影響で外食が減る中、スーパーでは手を出しにくい価格帯のものが選ばれたのでは」と指摘。坂井市企画情報課も「コロナ第1波のときに大きく伸び、今も巣ごもり需要の傾向は続いている。年末年始にステイホームする家庭から、若狭牛や甘エビなどの返礼品は年内に届くかという問い合わせは毎日ある」と話した。

 2021年の税控除を受けるには2020年内に寄付する必要があり、年間の寄付額の4~5割は12月に集中する。このため、残り4カ月で寄付額がさらに大きく伸びることは確実となっている。

 県は「個別プロジェクトに寄付金を使う坂井市の仕組みは、寄付者の思いが政策に反映される制度本来の姿。寄付者が地域とつながるツールになるよう使い道を明示するなど、やれることはまだまだある」と期待を込めて語った。