全日本総合バドミントン選手権女子シングルスで準優勝した山口茜(右)と優勝の奥原希望=12月27日、東京・町田市立総合体育館(代表撮影)

 バドミントンの全日本総合選手権・女子シングルス決勝で世界ランキング3位の山口茜(福井・勝山高校出身、再春館製薬所)と同4位で前回覇者の奥原希望(太陽ホールディングス)の対決は東京五輪メダル候補の2人でしか、なし得ない激闘だった。最終第3ゲーム、ジュースの末の決着。「攻めるところは攻め、最後まで戦い抜けた」。紙一重で敗れはしたが、山口のすっきりとした表情に手応えがにじんだ。

 テーマの「我慢」を決勝でも貫いた。第1ゲームは奥原のフォア側にしつこく球を集め、逆方向へスマッシュを突き刺す得点を連発。アウトやネットで第2ゲームは落としたが、前後左右に揺さぶった。

 成長を示したのはファイナルゲームだ。最大6点差のリードを奥原の堅守で逆転され18-20。無観客の会場が静まり返った。この窮地にも慌てず、丁寧なラリーで崩し同点に。「ジュースにできたのは気持ちの面でも良かった」と胸を張った。

 故障後の練習不足が響き準決勝で逆転負けした前回。「(実力の)6、7割くらい」。精彩を欠き、試合後は下を向いた。あれから1年。同じ敗戦でも意味合いが全く違う。新型コロナウイルスの影響で試合がない中、「例年以上」という練習量を地道にこなした努力が実った。

 「茜ちゃん(山口)にしかできない球回しがあり、私には体の強さがある。互いに良さを伸ばしていけたら」。奥原は会見で特別なライバル関係に触れた。2人にとって勝負の年が数日後に幕を開ける。「緩急のメリハリはできていない部分もある。100パーセントを出せるようにしたい」と見据えた山口。9カ月ぶりの実戦で得た反省を糧に、飛躍を遂げてみせる。