福井銀行(本店福井市、林正博頭取)と福邦銀行(本店福井市、渡邉健雄頭取)がグループ化を視野に協議を進めている資本提携について、福井銀が福邦銀を子会社化する方向で最終調整していることが12月25日、関係者への取材で分かった。来年1月中にも基本合意し、福邦が実施する第三者割当増資を引き受けるなどの検討をしているとみられる。子会社化後も福邦のブランドは維持する見通し。

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 金融庁によると、同一都道府県内の金融機関同士が共同持ち株会社にした例はあるが、子会社化は珍しいという。超低金利の長期化と人口減少で地銀の体力が弱まる状況の中、政府・日銀は地銀再編を促す政策を進めており、福井のケースは注目を集めそうだ。

 関係者によると、福邦銀は2009年に60億円の公的資金の注入を受けており、24年3月末が返済期限となっている。同行は前倒しで一括返済する方針で、その後に第三者割当増資の手続きに入る方向で調整している。子会社化は、両行の来年6月の株主総会で正式決定する見通し。

 両行は3月に包括提携を締結。「Fプロジェクト」と銘打ち、▽顧客へのサービス向上▽地域経済活性化▽組織・業務改革▽融合に向けた未来創造-の4本柱で、連携した取り組みを進めている。店舗集約や事務共同化、人的資源の新分野投入などにより、5年間で40億円の連携効果を目指している。

 福井県内企業約1万4700社のメインバンク調査(20年、東京商工リサーチ福井支店調べ)によると、福井銀は48・11%でトップ。福邦銀は福井信用金庫、北陸銀行に次ぐ4番手の8・86%。子会社化により、グループとしてシェア5割を超えることになる。

 福井銀の9月末時点の貸出金残高は1兆7851億円、預金残高は2兆7179億円。福邦銀の20年9月中間期の貸出金平均残高は3141億円、預金平均残高は4333億円。