記者団の取材に、引責辞任する意向を表明した鉄道・運輸機構の北村隆志理事長(左)=12月22日、国交省

 国土交通省は12月22日、北陸新幹線金沢-敦賀間の開業遅れと建設費増は管理体制に問題があったとして、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(神奈川県横浜市)に業務改善命令を出した。機構の北村隆志理事長は記者団の取材に「責任を明確にする」と述べ、年明けに辞任すると表明した。

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 国交省が機構に改善命令を出すのは初めて。上原淳鉄道局長が北村理事長を国交省に呼び、命令文書を手渡した。

 命令文書は機構について、2019年度時点で工程、事業費管理の体制や沿線自治体との情報共有のあり方に重大な課題が存在していたと指摘。▽事業執行体制の強化▽本社のチェック機能の強化▽関係自治体などとの情報共有の拡充―を求めた。

 具体的には、工事の進捗状況などが本社に伝わるよう、福井県内などに司令塔となる組織を配置することや、外部有識者の助言が得られる体制の構築などを挙げた。改善内容については21年1月29日までに報告するよう指示した。

 面談後、北村理事長は「このような事態に至ったことを重く受け止めている。関係者の期待を裏切り、ご迷惑をお掛けした」と陳謝。辞任の時期について「今も現場では工事を行っている。不測の事態に備え、年末年始は今の体制で続けることが適切ではないか」と述べ、年明けになるとした。

 福井県など沿線自治体に対しては「新幹線に対する期待の大きさ、期待を裏切ったことに関する皆さんの思いをひしひしと感じた。言葉を費やしてもそれに応えることにはならない」と話し、新体制で24年春開業を実現することが「罪滅ぼしの一歩になる」との考えを示した。

 赤羽一嘉国交相は命令に関して「国交省としても機構に対する監理、監督体制を強化し、リスク管理を含めた適切な事業管理のもと、一日も早い金沢-敦賀間の完成、開業に向けて取り組む」とのコメントを出した。