「集大成として東京を選んだからには結果を残したい」と練習に打ち込む西島美保子=福井県福井市舟橋新町

 【視覚障害者マラソン・西島美保子】5月に66歳を迎える。普通であれば第一線を退いている年齢だ。でも、ブラインドマラソン界のパイオニアは、走りに迷いがない。「集大成として東京を選んだからには結果を残したい」

 東京パラリンピックが1年延期となり「昨年やってほしかった」という思いはあった。一方で、2月に脚を痛めて十分な走り込みができていなかった。「これは私のために1年延期になったんやって考えよう。ここからまた練習をやり直せばいい」と前を向いた。

 多い日は数十キロを走る。ブラインドマラソン協会の合宿では子どもと同じくらいの年齢の選手としのぎを削る。全てはパラの舞台でゴールを切るため。途中棄権した2016年リオデジャネイロ大会での涙が、足を前へと進める。

 「諦めるのは簡単。けれども諦めたらそこで終わり。走り続ければ何かが起こるから」。新国立競技場のゴールを駆け抜けるまで、走りを止めるつもりはない。

 【略歴】にしじま・みほこ 県立盲学校卒。日本ブラインドマラソン協会(JBMA)所属。両目の視力0・02の弱視。2019年8月の北海道マラソンでJBMAの東京パラ推薦資格を獲得。日本が出場枠を獲得すれば出場が内定する。自己ベストは3時間11分33秒。65歳。

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 「何のために戦うのか」。東京五輪・パラリンピックの1年延期を受け、福井県のトップ選手たちは自問を繰り返した。2021年夏の開催へ先行きが見通せない中、調子を維持するのは肉体的にも精神的にも苦しい。それでも精いっぱいの力で今を進む。家族のため、仲間のため。そして自身の誇りのため-。

 

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