12月18日の記者会見で、中間貯蔵施設の共同利用案について語る関西電力の森本孝社長=東京都千代田区

 原発の使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、関西電力が12月21日で調整していた森本孝社長と福井県の杉本達治知事の面談は見送られた。青森県むつ市の施設を電力各社で共同利用する案を福井県に提示する方針だったが、反発する青森の地元理解を最優先して交渉を進める電気事業連合会(電事連)の動向などを考慮したとみられる。関電が県に約束した県外候補地の年内提示の期限が目前に迫る中、日程の再調整を急いでいる。

 電事連は18日、東京電力と日本原電の専用に建設されたむつ市の中間貯蔵施設の共同利用案を、青森県と同市に説明した。森本社長は同日、「高い関心があり、積極的に参画したい」と会見で述べ、県に近く報告する考えも示した。杉本知事も同じ日にあった県議会の答弁で、関電から報告を受ける場を「来週にも設けたい」と明言。19日にあった会合の来賓あいさつでは「来週早々にも関電から話を聞かせていただく」と発言していた。

 18日に電事連から説明を受けた際に、宮下宗一郎むつ市長は「むつ市は核のごみ捨て場ではない。全国の燃料を引き受ける必然性はない」と強く反発。三村申吾知事も「全くの新しい話で、聞き置くだけにする」と突き放し、十分な地元理解を得られなかった。

 電事連は「理解いただけるまで(地元に)説明する」(池辺和弘会長=九州電力社長)としており、関電はこの状況で共同利用案を福井県に説明すれば、さらなる青森県の反発を招きかねないと懸念したとみられ、19日から20日にかけて福井県との面談をいったん見送ることを決めたようだ。関電は年内の面談を目指すが、現時点で見通しは立っていない。

 むつ市の中間貯蔵施設を巡っては2018年、関電が施設の運営会社に出資する方向で最終調整したものの、宮下市長が拒否した経緯がある。今回は電力大手でつくる電事連が動き、核燃料サイクル政策を進めたい政府も「地元の理解を得られるよう、主体的に取り組んでいく」(梶山弘志経済産業相)との姿勢だ。

 ある電力関係者は「既定路線のように話が進むことに対する青森の反発を心配する国や電事連が、21日で調整していた関電社長と知事の面談にいったんストップを掛けた可能性もある」と話した。