拉致された当時の状況を振り返る地村保志さん=12月19日、福井県の美浜町生涯学習センターなびあす

 北朝鮮による拉致被害者地村保志さん(65)=福井県小浜市=の講演会が12月19日、福井県の美浜町生涯学習センターなびあすで開かれた。横田めぐみさんの父滋さんら拉致被害者の家族が高齢化し死去する現状に触れ「拉致が忘れ去られる心配がある。被害者を早く救出したい」と危機感を訴えた。

 地村さんは「めぐみさんと同じ招待所で一緒になった時期があった」と振り返った。めぐみさんの朝鮮語は現地の人と遜色なく、勉強もよくできたという。「日本に帰りたい思いがあったと思う。まだ50代。生きている間に戻ってきてほしい」と語った。

 小浜市の展望台で自身と、当時婚約者だった妻の富貴恵さんが拉致された時の様子も説明した。手足を縛られ、ゴムボートから船に移される際に「目的は女性で自分は海に捨てられると思った」と当時の心境を語った。

 講演会は、美浜町人権尊重啓発協議会や政府拉致問題対策本部、福井県が主催。町内の約60人が聴講した。ドキュメンタリー映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」も上映された。