福井県庁

 関西電力は、青森県むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設を電力各社で共同利用する案を福井県に提示する方針を固めた。森本孝社長が12月21日に県庁を訪れ、杉本達治知事に説明する。ただ、青森県知事やむつ市長の了解が得られる見通しは立っておらず、実現可能性は不透明。福井県は中間貯蔵施設の県外候補地を年内に示すことを、関電が目指す40年超原発の再稼働の同意判断の「前提」としており、一連の手続きが動きだす可能性がある。

 むつ市の中間貯蔵施設を共同利用する案は、大手電力でつくる電気事業連合会(電事連)が検討しており、清水成信副会長が18日、青森県の三村申吾知事と宮下宗一郎むつ市長に相次いで説明。森本社長は同日の会見で「高い関心があり、積極的に参画したい」と述べた。

 中間貯蔵施設の県外立地を求める福井県に対し、関電は「2020年を念頭にできるだけ早い時期に具体的な計画地点を示す」と約束。杉本知事は今年10月、運転開始から40年を超える高浜原発1、2号機と美浜原発3号機の再稼働について、年内提示の約束を果たすことが同意判断の「前提」との認識を示した。

 電事連の共同利用案について杉本知事は18日、県庁で記者団の取材に応じ「どういう形で計画地点の確定まで持っていくのか、関電に確認させてもらう」との考えを示した。

 20年中の提示を約束した際、関電は「確定に先立ち、計画地点を示す」としており、杉本知事は21日の森本社長との面談で、提示される候補地について一定評価するとみられる。関電の回答を踏まえ、再稼働の是非を判断する議論を近く県会に要請する可能性もある。

 ただ、むつ市の中間貯蔵施設は、東京電力と日本原電の使用済み核燃料を運び込むことを前提に建設された。共同利用には地元自治体の了承が必要になるが、電事連から説明を受けた三村知事は「聞き置くだけにする」と回答を保留。宮下市長は「全国の燃料を引き受ける必然性はない」と反発している。

 40年超原発の再稼働には、大飯原発3、4号機の設置許可を取り消した大阪地裁判決も新たなハードルとなった。国は控訴したが、杉本知事は18日の県会予算決算特別委員会で「立地地域の県民、国民全体が非常に不安に思う状況」と憂慮。原子力規制委員会に説明責任を求め、県原子力安全専門委員会でも安全性を検証するとした。

 これらのハードルをクリアした場合でも、国に対応を求めている▽原子力の重要性、40年超運転の必要性と安全性に関する県民・国民への丁寧な説明▽原子力・エネルギー政策の明確化▽電源三法交付金の充実―などが課題として残る。杉本知事は「(同意判断の)スケジュール感があるわけではない」としている。