校則を定めた福井県内の中学校の生徒手帳や手引。明文化されていない指導もある(写真と本文は関係ありません)

 福井県内の学校の校則や指導について福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)が紙面や無料通信アプリLINEを通して読者に尋ねたところ、下着の色や髪形からキーホルダーの大きさまで、事細かなルールが寄せられた。「みんなの前で身なりチェック、異常だ」「発達障害の娘はルールが分からず学校に行けなくなった」。現役生徒や保護者の声は悲痛だ。一方で、全校生徒で議論し、自分たちでルールの存廃を決める動きも出ている。

 “細かなルール”で特に多かったのは中学校の身だしなみ。「流行の髪形や極端な髪形にしない」「髪を後ろで結ぶ場合は耳上部より下」などとツーブロックやポニーテールを禁止。靴下は「白でくるぶしより長く」や「地面から15センチ以上」。新入生用の手引に「下着は白かベージュ」と記す例もあった。

 「月に何度か体育館で男女に分け立たされ、先生が回ってきて髪や眉毛、爪、下着、靴下、日焼け止めなどをみんなの前でチェックされる。担当が同性の先生でもおかしい」。嶺北地域のある中学生が“身なりチェック”の様子をLINEを通して説明してくれた。眉毛をそっているのが分かると、1週間後にそれ以上そっていないか、教員に見せにいくのだという。

 加えて「生徒総会で多くの生徒が校則の変更を訴えても、先生は『考えます』と言うだけ」「学校に来やすく、楽しいと思えるようしてほしい」と訴えた。

 別の中学校では指導の在り方に疑問の声も。「校則を守った髪形にしていても、(明文化されてない)暗黙のルールがあって怒られる」とある生徒。母親は「理由が分からない校則の多さに驚いた。多様性を受け入れる柔軟さや、自主性を育てる教育と、学校の現実はかけ離れている」と感じている。

 嶺南地域の中学生の母親は「入学時の手引に『下着は白一色』とあったが、真っ白な下着なんて売ってない」と困惑。何とか探したものの、実際に学校で確認されたことはなく「どういう意図で規則を残しているのか」と首をかしげた。

 発達障害のある娘が高校に通う嶺北地域の母親は、娘が中学生だった当時を振り返る。「暑くて長袖をめくる際は、3回きれいに折り曲げる決まりだった。担任に確認すると、無造作にめくったり、4回折ったりしてはいけないと」。普段なら問題がない髪の長さなのに特定の校内行事ではダメだと注意されたといい、「娘は訳が分からず、学校に行けなくなった。子どもの特性にあった指導を」と強調した。

 学校の校則や指導について、福井大学の遠藤貴広准教授(教育方法学)は「子どもの尊厳を守るためにあるべきで、問題があれば民主的な手続きで変えていく必要がある」とする。主権者教育の素材にもなるとする一方、「学校現場に十分な対応ができる余裕がない。(学校に規律を求める)地域の目が変わることも求められる」と指摘した。