国土交通省の説明のポイント

 国土交通省は12月9日、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の会合で、北陸新幹線金沢-敦賀間の工期短縮、建設費縮減策などを検討してきた検証委員会の中間報告案を説明した。2023年春から1年半遅れるとされた開業時期は、敦賀駅の工法を工夫することで1年に短縮できると結論づけ、24年春になる見通しを示した。建設費の増額は当初見込みの2880億円から222億円縮減し、2658億円とした。

 与党PTは結論を出さず、10日に再び会合を開き、了承の可否も含めて議論する。多くの地元自治体は予定通りの開業や建設費増額に伴う地方負担が発生しないよう求めている。

 会合後、細田博之座長は記者団に対し「きょうは中間報告案の段階で報告いただいた。沿線の議員からは(工期遅れの)責任問題や、(工期短縮策が)実現できるのかを明らかにすべきだとの意見が出た」と述べた。

 報告案によると、敦賀駅工区について▽人員確保による土木工事の短縮で約2カ月▽クレーン増強による建築工事の短縮で約1カ月▽監査、検査などの効率的な実施で約3カ月―の計6カ月間の工期短縮が可能と指摘。豪雨、大雪、新型コロナウイルス感染拡大などのリスク要因が想定の範囲内に収まっている場合と注記を付けた。

 建設費の縮減策では▽工期短縮策の一部取りやめで230億円▽軌道構造の設計精査で5億円▽物価上昇額の精査で4億円―の計239億円圧縮できると試算。新たな工期短縮策に17億円必要なため、建設費の増額は2658億円になるとした。

 工事の遅れ、建設費の増額に至る主な経緯についても報告。駅舎の設計を変更した敦賀駅工区は、土木工事の本格着手が予定より1年遅れ、遅れを取り戻すために必要な作業員、資機材の確保も進まなかったと指摘した。

 建設費の増額に関しては想定を超える物価上昇と、19年に入札が集中し不落不調が頻発したことを理由に挙げた。不落不調で発注額が増大したことに加え、急速施工の導入で建設費が膨らんだとした。

 検証委は土木や交通政策の専門家ら5人の有識者で構成。11月17日から5回にわたり会合を開き、敦賀駅と加賀トンネルの工程見直しを中心に議論してきた。