国内外の主なワクチンの開発状況

 英国で米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンの接種が始まった。同社は日本政府と来年上半期に1億2千万回分(6千万人分)を供給することで基本合意しているが、国内の臨床試験(治験)や審査の手続きを経る必要があり、接種開始は早くて2021年3月ごろになる見通しだ。

 ワクチンは効果に対する大きな期待がある一方で、安全性に関しては懸念する声が根強い。当面、接種が始まった国での副作用発生情報などを注意深く集めていく必要がある。

 政府は、国内での接種を認めるには、海外のデータだけではなく、国内での治験結果を提出してもらい審査する必要があるとの考えを示している。ファイザーは3段階に分かれる治験の初期段階である第1、2相臨床試験を国内で実施中。広報担当者は「計画通り進んでいる」と話す。

 開発が先行する海外のワクチンでは、英製薬大手アストラゼネカも1億2千万回分の供給で合意し、国内治験を実施している。米バイオテクノロジー企業モデルナは5千万回分の供給契約を政府と結んでいるが、治験はまだ準備中の段階だという。

 このほか国内のメーカーでは製薬ベンチャー、アンジェス(大阪府茨木市)が第1、2相試験の次の段階である第2、3相試験を開始した。塩野義製薬(大阪市)など他の企業も近く試験を開始する予定。