アームを伸ばし橋の下を撮影していくカメラ

 橋の老朽化が福井県内各地で進む中、福井県の点検作業で「橋梁点検支援ロボット」が活躍している。てカメラを遠隔操作できるのが特徴で、橋の裏側まで確認できる。県内で初導入した福井県は「点検作業の効率化やコスト削減につなげられる。新技術を積極的に活用していきたい」としている。

 橋やトンネルなどの道路構造物では2014年度から、近くで目視する点検が5年に1回行われている。19年度からは、目視と同等の点検が可能な機械を使えるようになった。

 道路構造物のうち橋は県内に約1万カ所あり、国土交通省や県、市町、高速道路会社など管理者が点検、補修している。県は約2350橋を管理している。

 県が19年度から導入したのは、福井市の建設コンサルタント「ジビル調査設計」が開発した橋梁点検支援ロボット「視る・診る」。これまでに8回使われた。

 9月に敦賀市の笙の川河口に架かる松原橋で行われた点検では、橋の上で高さ約2・3メートル、幅約1メートルのマシンを操作した。アームを下方向と水平方向にそれぞれ約7メートル伸ばし、カメラやスケール(定規)、照明などを遠隔操作した。点検員2人が3台の画面で映像を見ながら細かく確認し、コンクリートの橋脚にあった幅約0・3ミリのひび割れを写真撮影するなどした。

 通常の点検では、点検車から橋の下にアームを伸ばし、バケットに乗った作業員が目視やハンマーでひび割れが無いか探す。車道の脇に広い歩道があってアームが届かない―などといった理由で点検車が使えない場合には、橋に足場を組む「つり足場」や、ロープを駆使して橋にぶら下がって点検する「ロープアクセス」という手法が用いられる。

 点検員の男性(54)は「複数人で話し合いながら精度良く点検を進めることができ、見落としも減らせる。橋の下からバケットに乗ったまま常に上を見上げる点検車での作業より、肉体的負担も小さい」とメリットを説明した。

 県道路保全課は「点検車やつり足場、ロープアクセスより低コスト。橋の上から点検できて安全で、作業日数も減らせる。条件が合う橋ではロボットを積極的に活用したい」としている。