関西電力大飯原発の3号機(右)と4号機=福井県おおい町

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の耐震性を巡り、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、福井など11府県の住民ら約130人が国に対し、原発設置許可の取り消しを求めた訴訟の判決で大阪地裁(森鍵一裁判長)は12月4日、許可を取り消した。

 東京電力福島第1原発事故を踏まえ策定された新規制基準下での原発設置許可を取り消す初の司法判断。大飯3、4号機は現在定期検査で停止中だが、住民側勝訴が確定した場合、より厳格な耐震基準で評価し直し、改めて許可を得るまで稼働できない可能性がある。新規制基準下で許可を受け再稼働した他の原発にも影響がありそうだ。

 主な争点は、関電が算出した耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)の値や、これを基に設置を許可した規制委の判断が妥当かどうか。

 訴状などによると、大飯3、4号機の基準地震動は最大856ガルと設定され、規制委は適正と評価。これについて原告側は、算出過程で基となる過去の地震データの数値には平均値から大きく外れたものなど「ばらつき」があるのに考慮されず、地震の規模や基準地震動が過小評価され、両機の耐震設計は不十分だと主張した。

 国側は、地震を引き起こす断層の面積など別の指標を考慮していれば審査は適切で、原告側主張に科学的合理性は認められないと反論していた。

 関電は2013年の新規制基準施行後、大飯3、4号機の審査を規制委に申請。17年5月に合格し許可を得た。

【大飯原発3、4号機】

 関西電力が福井県おおい町に持つ加圧水型軽水炉。3号機は1991年、4号機は93年に営業運転を始めた。出力は各118万キロワットで、関電の原発で最大。東京電力福島第1原発事故後に国内の全原発が停止する中、当時の民主党政権が決めた暫定基準に基づき唯一再稼働した。2017年5月に新規制基準に基づく原子力規制委員会の審査に合格。3号機は今年7月、4号機は同11月に定期検査のため停止した。

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