お堀に囲まれた福井城址に立地する福井県庁舎(中央)。北陸新幹線の全線開業を見据え、魅力的な空間形成が課題となっている=2020年4月(福井新聞社ヘリから撮影)

 福井県庁が立地する福井城址(じょうし)の活用に向けた議論が活発化している。県が有識者らとの懇話会を設置したのをはじめ、民間からも提言が相次ぐ。県庁舎の耐用年数の目安はあと11年で、北陸新幹線大阪開業の目標時期とも重なる。県都の魅力向上へ今後の議論の展開が注目される。

 「ハピテラスみたいに屋根付き広場にして結婚披露宴会場にしたら」「お堀にウッドデッキを設けてジャズコンサートを」「県会議事堂を改修してカフェに」―。県が10月中旬に開いた城址の将来像を考えるワークショップ。参加者から次々と提案が飛び出した。

 県は9月、有識者らでつくる福井城址活用検討懇話会を設置した。来年度中に提言をまとめる予定で、地元住民らとの意見交換会やワークショップを重ねている。

 県と福井市が2013年に策定した県都デザイン戦略には、50年までに県庁と市役所を移転して周辺に福井城址公園を整備すると記された。懇話会は県庁舎がある状態での短期的な活用法とともに、県庁移転を想定した将来イメージも提言に盛り込むことにしている。

××

 民間の提言も相次ぐ。福井経済同友会は1月、県庁をJR福井駅南の市東公園に移転させた上で、庁舎跡には音楽イベントやスポーツ大会にも活用できるコンベンションホールを整備するよう提言した。5月には、福井商工会議所が県庁を部署単位で市中心部の空きビルに分散移転した上で、城址は櫓(やぐら)を復元して公園に、県議会議事堂を美術館やコンサートホールとして再利用する案を示した。

 市民団体「福井城の復元をすすめる会」は城址西側に坤櫓(ひつじさるやぐら)と土塀の復元を県に要望している。11月中旬に県庁であった福井城址活用検討懇話会の会合では、これら3団体が提言内容をプレゼンした。

 このほか、県建築工業会も9月、県庁を福井市の福井農林高校付近に移転し、現庁舎を県内の特産品提供施設に改修するアイデアを発表した。

××

 堀が囲む福井城の旧本丸に県庁や県議会議事堂、県警本部が並び立つ姿に、たびたび違和感が指摘されてきた。公園として整備されている富山城跡や金沢城跡と比較されることも多い。

 県庁舎は築39年。県は税制上の減価償却期間である11年後の2031年を耐用年数の目安としている。県庁舎を含む公共施設の総合管理計画では、長寿命化によって80年程度使うことを目標としている。ベテラン県議は「耐用年数を考えればそう遠くない時期に直面する課題。財政や関係者の意見集約といった乗り越えなければならないハードルは多いが、真っ正面から議論していくべきだ」と述べる。

関連記事