1988年「ラッキー・ラヴ」の世界的なヒットでユーロ・ビート、ディスコの女神と言われたカイリー通算15作目のアルバムです。現在52歳の彼女を知らない世代も多いなか、アメリカのiTunesそして全英アルバム・チャートで1位に輝き業界を驚かせました。

 パンデミックによるロックダウンのさなか、レディー・ガガ、そしてデュア・リパもフューチャー・ノスタルジアと銘打ったディスコ・サウンドを彷彿とさせるダンス・アルバムを発表、ヒットしたのも同じ流れにあったからだと思います。

 憂鬱な世の中に生きる人々に単なる現実逃避ではなくポジティブな意味での癒しとパワーを与えるダンス・ミュージックの原点は、原始の昔から人類に備わっていた祈りのDNAに由来するものかも知れません。ここでもカイリーは理屈抜きのDISCOサウンドを聞かせてくれます。ビートに乗ったメロディアスなテーマにメランコリーなコーラス、ワンパターンと言えばそれまでですが、確かに我々に癒しとパワーを与えてくれるから不思議です。

(ワーナーミュージック・2300円+税)=北澤孝

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