【敦賀海保日誌】アナタの知らない船乗り用具の世界、「サンドレッド」って?

世界には数えきれないほど様々な仕事がありますが、実際にその仕事をしてみないと知らないことってたくさんありますよね。海上保安庁は、基本的に海の上が仕事現場。海に親しみのない方が知らないことってたくさんあると思います。

まぁ、知らなくてもきっと影響ないんですけど・・・
そんなこと言わずに、ちょっとだけ覗いてみてください!案外おもしろいかもしれませんよ!

今回は、題して「アナタの知らない“船乗り用具”の世界」!!

「船乗り用具」って日常生活では見ないような特殊なものが多いんです。
中には、「わざわざこれを使わなくてももっと効率いい方法があるのでは?」と思うようなものや、「これは、きっと一生使わないな」と思うようなものもありますが、それぞれの道具に先人の知恵や情熱、魂が込められているのです。たぶん。

さて、写真の道具が何かわかりますか?巡視船つるがの船内にあるものを撮影しました。
おそらく一般の認知度は2パーセントくらいではないでしょうか?(※数字に根拠はありません)当然私も海上保安庁に入るまでは見たことも聞いたこともありませんでした。

正解は「サンドレット」というもの。
「ハンドレッド(100)」でも「サンドイッチ」でもありません。
正解を聞いてもピンとくるどころかさっぱりでしょう。

サンドレットは、船が入港したときに船と岸壁を繋ぐロープを、船から陸に渡すため使用します。
サンドレットという名のとおり中には砂が入っていて、これをおもりにしてカウボーイのように
フォン フォン フォン フォン シュッ!
っと、船の上から岸壁に向かって投げます。
そして岸壁側にいる人が、サンドレットから延びる細いロープに繋がっている太いロープを手繰り寄せて、船から岸壁にロープが渡るのです。

つたない説明でごめんなさい。イメージできますか?・・・
近代化が進む令和の時代に、船を着岸させるため、こんな原始的な道具を使っているんです。笑
しかも、基本的には乗組員の手作り。型を作って、布を切り、縫い付け、砂を詰めて、布が破れないようにロープを編み込んだカバーを付けます。
うみまるも新人の頃、作った(らされた)ことがありますが、ロープをしっかりと編み込まないと外れてしまうので、力を込めて引っ張っていると手の油が奪われてカサカサに、しかも、こすれて真っ赤に・・・地味に過酷でしんどい作業でした。

サンドレットを投げるのは、乗組員の中でも航海士見習いの若手の役目。
一番かっこ悪いのは、岸壁まで届かずに海に「ボチャーン!」
むやみに遠投しすぎても、岸壁に止められている乗組員の車に「ボコン!」「パリーン!」・・・
このコントロールが船乗りとしての腕の見せ所というところでしょうか。

うみまるは新人の頃、こんなプレッシャーを負うよりも、「なんか磁石的なもので自動的にガシャーンと着岸できるようにならないかなぁ」などと、よく分からないことを考えていたものですが、まだそんな未来は遠い先のようです。いや、来ないのかもしれません・・・w

いかがでしたか?「船乗り用具」の世界。
サンドレットなんかよりも、もっとマニアックな道具もたくさんあります。
きっと知っても得はしませんが、そのうちまた一方的に紹介します!乞うご期待!(敦賀海上保安部・うみまる)