定例記者会見をする福井県の杉本達治知事=11月25日、県庁

 北陸新幹線金沢―敦賀間の開業が遅れる見通しとなっている問題について、福井県の杉本達治知事は11月25日の定例会見で、福井駅や南越駅(仮称)までを先行して開業させる案について「可能性、合理性があるならば国に求めていく」と述べた。一方、車両の検査施設や留置線の整備が新たに必要になる課題などに触れ「国の判断を注視したい」とした。

 金沢―敦賀間の建設工事を巡っては敦賀駅の工期が1年半遅れており、最大のネックになっている。県内経済界の一部には福井駅や南越駅(仮称)までの先行開業を求める声もある。

 杉本知事は定例会見で「加賀トンネルの工事が実際にどれくらいかかるか分からず、(国は)敦賀駅の遅れを1年半から短くすると言っている。(最終的に)福井に至るまでの期間がどの程度で収まるのか」と発言。国土交通省の検証委員会が12月上旬に示す報告を踏まえ、全体の工期を見た上で「必要性があれば(先行開業を)求めていく」と述べた。

 ただ「クリアすべき課題は多い」との指摘もある。関係者の一人は「留置線などの整備に追加経費が掛かり、システム改修も必要。仮に福井まで先行開業した後、短期間で敦賀まで2段階で延伸するのは費用対効果の観点でどうなのか。運行するJRの理解は得られるのか。あくまでも一つの選択肢だろう」とする。

 福井駅先行開業を巡っては政府、与党が2015年1月、金沢-敦賀間の開業3年前倒しを決定。与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)が下部組織として「福井駅先行開業等検討委」を設け、福井までをさらに先行開業できないか議論してきた。ただ、国交省が「技術的に難しい」と慎重な立場を崩さず、用地取得が目標通り進まなかったことで、17年3月に与党PTは断念した。

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