社会人野球の第91回都市対抗野球大会・ホンダ鈴鹿―日本生命 7回途中から登坂したホンダ鈴鹿の八木玲於=東京ドーム

 社会人野球の第91回都市対抗野球大会(東京ドーム)で11月23日、ホンダ鈴鹿(鈴鹿市)の新人右腕、八木玲於(福井・敦賀高校出身)が1回戦の日本生命(大阪市)戦の2番手で登板した。「向かっていく姿勢で、相手を圧倒する」。同点となる適時打を許したものの、速球は自己最速タイの154キロをマーク。チームはその後勝ち越し、2回戦進出を決めた。力強さをアピールする初登板となった。

 3―0の七回。先発の井村が3連打を浴び1点を返され、なお1死二、三塁。ピンチでマウンドを託された。対する打者は15年目の36歳、高橋英。真っ向勝負を挑んだ。4球目には154キロを出した。そして、フルカウントからの7球目。真っ直ぐに高橋英のバットは空を切った。

 福井県敦賀市出身の22歳。敦賀高では1年秋からベンチ入りした。高校時代、140キロ台前半だった速球は天理大4年秋に153キロに伸びた。ただ「自分はまだプロのレベルに達していない」と、社会人で研さんを積む道を選択した。

 社会人になり下半身強化に取り組むとともに腕の振りにも注意を払った。いずれも持ち味の速球を軸に投球に磨きを掛けるためだ。成果が表れたのは本大会出場を争った東海地区2次予選。抑えで3試合に登板し、3回1/3を投げ防御率0・00。チームの5年連続出場に大きく貢献した。身長177センチ、体重85キロ。がっしりとした体格で、自己最速の154キロを最初に出したのもこの予選だ。

 日本生命は都市対抗で歴代最多61回の出場を誇り、優勝4度の「西の名門」。高橋英を三振に取り2死二、三塁としたが、続く早野に2点適時二塁打を許し、3分の1回、9球で降板した。丸井監督は「強力打線を相手に粘り強く投げてくれた」とねぎらったが、「手応えはない。もっと馬力も出せる」と満足感は見せない。

 社会人2年目の来年はドラフト解禁の年となる。目標は、今季限りで現役を引退した藤川球児(阪神)のようなクローザー。ホンダ鈴鹿は近年、中継ぎとして活躍する平井克典(西武)や新人で2勝を挙げた瀧中瞭太(楽天)などプロに多くを送り出す。もちろん、先達に続くつもりだ。

 ただ、その前になすべきは、1994年の第65回大会以来となる都市対抗優勝(当時のチーム名は本田技研鈴鹿)。「次はもっといい投球ができる」。出番がどこであれ、チームに貢献することしか今は頭にない。

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