産地にある全ての製紙所・加工所の越前和紙を表紙に使ったノートの販売を目指す長田泉さん=11月16日、福井県越前市大滝町

 越前和紙産地の全50社が生産・加工した和紙を表紙にあしらい、風合い豊かな計100通りのノートを作るプロジェクトを福井県越前市の和紙職人の女性が進めている。福井新聞社と福井銀行、レディーフォーによるクラウドファンディング(CF)サービス「ミラカナ」を利用し、先行して完成させたノート15種類を返礼品にして全ラインアップの販売を目指している。

 プロジェクトを進めるのは、長田製紙所(おさだせいしじょ)=越前市大滝町=の職人長田泉さん(29)。国重要無形文化財に指定されている上質の手漉き和紙「越前鳥の子紙」にちなみ、ノートは「トリノコノート」と名付けた。

 越前和紙は産地の各企業が多彩な色柄、質感、用途の製品を作っており、和紙業界では「越前にない和紙はない」とまで言われている。一方で、その幅広さが故に産地を代表する商品を絞りにくく、和紙になじみがない人や外国人にはアピールしづらいという。

 そこで長田さんは、産地全社の和紙を使ったノートの販売を目指すプロジェクトを計画。福井県が若者の地域活性化プランを応援するコンテストに応募し、見事支援金100万円を獲得して先行商品の開発に着手。長田製紙所を含む7社の紙を使って15種類のノートを完成させた。

 サイズはかばんに入れて持ち歩きしやすいB6判。表紙の和紙を無地系でまとめた「トリノコシンプル」6種類、柄物を中心にした「トリノコクラフト」9種類の2ラインを用意した。表紙には、和紙の女神をまつる岡太神社・大瀧神社を飾る木彫りの鳥をモチーフにしたロゴが刻まれている。

【支援はこちら】100種類の越前和紙で、作り手が見えるノートを作りたい

 CFでは支援1400円に対し1冊提供する。収益金は、全種類を完成させるための和紙の購入費などに充てる。長田さんは「1500年にわたって伝統を受け継ぎ、多彩な和紙を生み出している産地の強みを一目で伝えられるノートにしていきたい」と話している。

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